第2話 【ミーファ】 27歳 雑貨屋店主

 ミーファはお店の閉店業務に勤しんでいた。第三都市パーサの繁華街で雑貨屋を営んでいた。お菓子から食器等、身の回りに必要な物は一通り揃うことが出来た。元々サバサバした性格で人当たりも良く、姉御肌であった為、お客からの相談事をよく聞いていた。そう聞くと女性のお客が多いように感じるが、実際は男性客の方が多かった。その最大の原因はミーファの外観であった。ミーファは幼い時から格闘技を習っており、その影響からかバストは大きく、それでいてウエストは細く、またヒップは肉付きが良かった。おまけにミーファは動きやすさを重視し、ボディラインに密着した衣服をよく好んだ。街の男達はスケベ心よろしく何度もちょっとした買い物に訪れ、その豊満な身体を目に焼き付けて帰っていった。そんなこんなで中々忙しい日々を送っていたミーファであった。売上計算に必要なカウンターの照明以外は店内の照明を消し、黙々と業務を片付けていた。

(カララ~ン)

唐突にドアのベルが鳴った。ミーファは

「ごめんなさい。もう閉店してしまったの。」

と目線を上げながら答えた。そこには泣き顔の仮面を被り黒のマントを羽織った者が立っていた。仮面の者は

「そうでしたか…」

と答える。声の質で男性だとわかった。ミーファは泣き顔の仮面を見た瞬間、全身に寒気が走った。ミーファは仮面の男を警戒していた。決して目から離していない。離していないのだが次の瞬間、泣き顔の仮面がミーファの眼の前に移動した。まさに瞬間移動である。

「うっ…」

ミーファは仮面の男に首元を掴まれた。仮面の男は片手でミーファをそのまま持ち上げると、カウンターから放り出した。ミーファは受け身を取ると、渾身の跳び膝蹴りを放つ。が、無駄であった。仮面の男は片手でそれを受け止めると、そのままミーファの脇腹を殴った。

「ゴフッ…」

ミーファはその場でしゃがみ込んでしまう。すると仮面の男はミーファの髪を引っ張り無理矢理立たせた。そして再びミーファの腹部に拳をめり込ませる。それから、仮面の男は何度もミーファの腹部に拳をめり込ませた。ミーファの格闘技の腕前は相当で、通っているジムでは男性を含め、トップクラスの実力を誇っていた。しかし、眼前の男は今まで戦ってきた男性とは拳の質が違った。ミーファの両腕は仮面の男の拳をブロックしたのが原因で、内出血で肌が赤黒くなり腕が上がらなくなっていた。仮面の男はノーガードになっているミーファの腹部を執拗に殴り続けた。

「ゴフッ!ハァ…ハァ…ゴフッ!」

ミーファの腹部は腕と同様に内出血から赤黒くなっている。

(ガクガク)

ミーファの両足は痙攣し始めた。仮面の男はそれでも容赦なく、殴り続ける。ミーファは、今まで20年以上格闘技をやってきたが、ここまで殴られ、ここまで痛めつけられるのは初めての経験であった。そして、とうとうミーファの身体に限界がきた。

「お願い…もう…やめて…」

ミーファの弱々しい声が漏れた。仮面の男はようやく拳を止めた。するとミーファはその場で嘔吐した。

「オェェッ!ハァ…ハァ…グェッ!」

ミーファのえずく声が響き渡る。嘔吐物には血も混じっていた。ミーファは自分の嘔吐物の上にへたり込んでしまった。すると仮面の男はミーファの下顎を両手で掴むとゆっくり力を加えはじめた。

(ミシミシミシ)

という音がミーファの顎からする。すると

(バギッゴキッ)

ミーファの下顎骨の両端部が折れた。ミーファは骨折の衝撃で一瞬気絶したが、垂れ下がる顎の激痛で目が覚めた。

「アガガァァァ!」

痛みから悲鳴を上げるが、うまく声が出なかった。仮面の男は股間を弄ると、膨張したペニスをミーファの口内へ押し込んだ。ミーファは顎の痛みがあり、うまく抵抗出来ない。

(ジュグッ、ジュグッ、ジュグッ)

仮面の男はミーファの頭部を両手でしっかり掴むと前後にゆっくり動かした。ミーファは痛みと敗北感から涙が溢れた。仮面の男はそんな無抵抗のミーファを見下ろしながら、

「俺を見ろ!」

と、ミーファに命令した。ミーファは言われるがまま、泣き顔の仮面を見上げた。ミーファにはその泣き顔が猟奇的な笑顔に見えた。すると、仮面の男は

「動け。抵抗すると、この場でバラす。」

と、ミーファに言い放つ。ミーファは仮面の男に服従するしか無い。

(ジュポッジュポッジュポッ)

ミーファは懸命に頭部を前後に動かした。何度も何度もピストン運動を繰り返すミーファの姿は、あの男勝りで姉御肌のそれとは似ても似つかなかった。仮面の男は

「もっと早くだ!」

と、罵声を浴びせる。

(ジポジポジポジポジポジポ)

ミーファは首が外れるかと思うほど、頭部を前後に振った。

「イイネ。イイネ。」

と、仮面の男は言うと、ミーファの頭部をガシッと掴むと、ミーファの口内に射精した。

(ドピュッドピュッドピュッ)

仮面の男はミーファの頭部をゆっくりと前後に動かす。ミーファは仮面の男の精液体を口内に留めていたが、仮面の男が射精後もペニスを口内で動かし続けた為、ミーファは精液を飲み込んでしまった。そして、仮面の男はそのままミーファの口内で放尿をした。

(ジョォォォ)

ミーファはもちろん抵抗したいが、仮面の男は万力のような腕力でガッシリと掴んでいる為、抵抗出来ない。ミーファは仮面の男の放尿を無抵抗で受け止めるしかなかった。すると、仮面の男はミーファの鼻を摘む。ミーファの身体は反射的に口内の尿を飲見込んでしまう。

(ゴクッゴクッゴクッ)

ミーファは便器のような扱いを受け、涙が止まらなかった。仮面の男はペニスをミーファの口から抜いた。ミーファは

「アガッアガッアッアッ」

と、顎が折れているにも関わらず、声を出し涙を流して泣いた。ミーファは自分の顎を壊され助けも呼べず、両手両足も使い物にならない為、身動きも取れず、その場でただ絶望に浸るしかなかった。

仮面の男はそんなミーファを見て、

「その顔、イイネ。」

と、言った。ミーファを気に入ったようだった。そして、仮面の男はミーファのテンプルを拳で擦るように殴った。ミーファは糸が切れた人形のようにその場に倒れ込み、意識を失った。仮面の男は羽織っていたマントでミーファの全身を包んだ。そして、自分の痕跡を全て消した後、ミーファを包んだマントを肩に担ぐと、店を出ていった。

(カララ~ン)

ドアのベルが誰もいなくなった店内に響き渡った。それから数日後、行方不明になったミーファを都市の治安部隊が懸命に捜索したが、見つけることは出来なかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ねじ曲がった欲望の果て 黄色子爵 @yellowvisct

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ