キャンセルバトル!ファミレス系のネコ型の配膳ロボットに勝て!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 ファミレス系のネコ型配膳ロボットが、いや。特にあの目がいやって、思いませんか?

 寒くなった。

 暑すぎたあの夏は、何だった?

 ただ、寒いとはいえ、アホ社員たちの会話は燃えて萌える。

 「燃える」

 「逆萌えでな」

 「ファミレス系の、配膳ロボットが怖い」

 「あいつ、目がいや」

 「頭にくる」

 「頭にくるといえば、風呂」

 「風呂?」

 「風呂に、入りたくない」

 「何で?」

 「仕事疲れ?」

 「いや…。あいつの亡霊が、見えるから」

 「は?」

 仕事が終わり、 1人暮らしのアパートに戻る。

 会社でのいやなできごとを、忘れられるとき。

 「心まで温まる、風呂タ~イム!」

 の、はずが…。

 実際は、期待も裏切られ。

 仕事が終わって帰宅した時点で、「体力的な電池切れ」が起こるから。

 「…ただいま。ダメだ」

 玄関で、早、ぐったり。

 そんなこんなで、結局寝る前に風呂に入ることができないままに寝落ちしてしまうことを、こういう。

 「風呂キャンセル」

 キャンセルといえば、ファミレス系。

 ファミレス系の話題が、怖い。

 今日も、アホ社員たちが集まって食事。

 「ご注文は、お決まりでしょうか?」

 ネコ型配膳ロボットが、いつものように彼らにせまる。

 「ピポ~♪」

 呪いのメロディを、垂れ流しつつ。

 皆が良くいく店では、その配膳ロボットの胸部分についているタッチパネルに触れ、注文を入力することになっていた。

 「ピポ~♪」

 やつが、彼らの座るテーブルまでやってくるぞ。

 そこで、皆がいたずら。

 テキトーに何かの注文ボタンを押して配膳ロボットを厨房に帰し、注文した品を運んできたら、こう言って人間の店員を呼ぶのだ。

 「それ、注文していませんよ?ボタン、押しまちがえました」

 悪質。

 その対策のため、あばれる組織が誕生したという。

 「キャンセルは許さん!」

 ひえ。

 その言葉、これと似ている。

 「風呂キャンセルは許さん!」

 プチ流行語。

 今、ネコの姿をしたロボットが、ファミレスの厨房にある包丁を握り風呂に入らない人を切りつける事件が起きているという。

 そのネコ型ロボットは、ファミレスから会社に戻り、また仕事をして帰宅した皆の前にも現れる。

 「風呂に入るのだ~!」

 ひい…。

 「このネコ、何?」

 「どこかで、見たな」

 皆が働く会社で作られるロボットだと、すっかり忘れていた。

アホ社員たちだから。

キャンセルには、気を付けよう。

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