第三話 過去

 転生後の私の親は、お母さんしか居ない。

 さらに言えば、お母さんはギャンブラーだ。それ故にいつも賭けで負けたときは私に八つ当たりしてくる。


 仕方なく仕事をしているが、私のためじゃなくギャンブルの為だ。

 ほんとに餓死しそうになったらお金を使うが、私にはご飯はくれない。私は生まれ持って餓死で死なない天使だったから。


 転生前は猫と天使のハーフだったのに天使しか今世は天使だったのだ...。


 お母さんは私が9歳。つまり三年生になった時に学校に通わせると言ってくれた。とっても嬉しくて...でも利用されるんじゃないかと思うと怖かった。


 初めて通う学校だけど、ランドセルは貰えなかった。だから頑張って天使の力を使いバイトをした。


 人を助けたり物を運んだり病人を癒やし...バイトをしてなんとか9歳までにランドセルや鉛筆が揃った。


 ちなみにお母さんの機嫌が悪いときはお金を渡していた。そのせいで「機嫌が悪いふりをすればお金がもらえる!?」みたいに勘違いしたのか、そのふりを見せつけていた。だけど流石にバレバレだった...


 でもお金出さないと殴られるから渋々お金を渡すしかなかった。少ないけど。


 辛い、苦しい、何も出来ない、役に立てない、自由がない、殴られる、痛い、痛い、痛い...怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


 逃げたかった。そして私は家出した。


 その後入学した。親については私の能力で幻覚を見せて誤魔化した。


 天使の能力があるから食費にも困らないし放課後めいっぱい遊べる。最高だった。それ故に補導されたりしそうになるけど幻覚を使って逃げていた。


朝はいち早くに朝日を見られ、昼は学校で給食が食べられ、夜は学校で借りてきた本や勉強道具を使い公園で勉強する。


明かりについては天術てんじゅつの中に光源魔法が在ったからそれを使った。

自分自身に幻覚を見せて明るい幻覚を使った方が見られにくいけど仕方なかった。


そのうち私は他の人のプライバシーが気になった。私は異例なのかな。

そんな事を考えながら今日も学校に向かう。


「...いつになったら普通ノーマルな生活を送れるのかな――――」

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僕らのウソまみれ秘密基地 空野 猫 @soranoneko

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