第二話 図書の秘密基地

 完全にバレてるからこそ堂々と行くぅ!!ということで!休み時間普段どこに行ってるのか聞いてそこまで付いていきます!


「やっほぉ〜」(゚∀゚)アヒャ

「だから僕を追跡しないでください...」

「なんでバレたの!?追跡するとは一言も言ってないよ!?」

「顔でわかりますよ!?」


「それよりも休み時間どこに行ってるのか聞きたいんだ〜!!...というか敬語外して!?同級生だよ!?私達!!!」

「あぁ...わかった。それで、僕が行ってるとこは―――」


 角を曲がって彼は立ち止まる。

 そこは...図書室だった。


「...図書室だぁ〜...普通でつまんないなぁ。」

「まぁ休み時間これくらいしかやること無いんだ。それとも、もっと特別なことが起きると期待していたのか?」


「そりゃぁそうでしょ...あの森にいる土サメ?ってやつに怯えずに魔法を放ってしかも追い返したあなたなんだから...」

「あれは...まぁ時が経ったら教えてやる。」

「えぇ!?めっちゃ楽しみ!!」

「...言わないほうが良かったか?ボソッ」


 その秘密を明かしてくれるまでずっとついていってやるんだからっ!!!(゚∀゚)アヒャ


「((o(´∀`)o))ワクワク」

「...読みづらい。」


 そりゃあね!!だって私も横から見てるんだもん!!!楽しみながら!!!

 この子が読んでるの完全に高校一年生が読みそうな推理小説だけど私自身高校一年生だしなんなら精神25歳なんだもんね!!!(恋愛感情については0歳だけど!!!)


「邪魔しないでくれないですか?」

「はーい、大人しく隣で本読んでまーす。」


 私は本棚からとある本を取り出す。前世での私の好きな本!

「葉桜の季節に君を想うということ」である!!!

 記憶を消してもう一度読みたいくらいに大好き!!前世では買ったし毎日心を落ち着かせるためだけに読んでたりもしたんだからね!!


「...猫空、まじで子供なの?それ高校生に人気の本じゃ...」

「私だってこういう本好きなんですーーーっ!というかあなたもあなたで高校生に人気だってよく知ってるよね!?」

「良さそうな本を探してる時そういう話が聞こえたんだ。」


 ほへー以外に耳いいのかな?まぁ猫の耳を持つ私が言うのも何だけど。


「思ったんだけどさ、普通に違うよね?」

「何が?」

「私があなたを追跡した時別の道通ってたよ?」

「...バレたか...」


 そう!!真逆の方向に行ってたのである!!!

 つまりやっぱり隠し事をしてるということ!!!それを聞き出してやるぅ!!!


「じゃあかわりにここの一階図書室の秘密を教えてあげるから本命の秘密は聞き出さないでくれないか?」


 え、なにそれめっちゃくそ気になる...まぁ次弱みを握ったときでいっか!!わざわざ真逆の方へ行くのめんどいしね!!!


「しょーがないなぁ!そっちの秘密で勘弁するよぉ!」

「静かにしてください。」(近くの図書委員が言ってる)

「あ...すみません。」


 怒られちったテヘペロ☆


「それよりも図書委員いるから秘密聞かれる可能性あるけどどうするの?」

「あぁ...その可能性があったか...。じゃぁ放課後またここに行くということで。」

「おっけ!!楽しみにしてるね!!私のほうが早くこっちに来るから!!」

「静かに!」(図書委員が遠くから言ってる)

「すみません!」


 ―――――放課後―――――


「なんで僕よりも先についてるんだい???」

「ワープ使ったのよ!!!」

「なんでわざわざ...(・・;)」

「勝ちたかったから!!!」(←こいつ大人げない。25歳なのに。)

「えぇ...」(引)

「引かないで!?」


 それよりも早く秘密が見たい...!!!((o(´∀`)o))ワクワク


「じゃぁ秘密を見せてあげるよ。まずはそこの本棚を見て。」

「あ、ここの本結構ミステリー系多くない?」


「それも秘密基地に入るヒントみたいなものだね。じゃぁここの本棚の題名に秘密基地って名前が書いてある本があるんだけど、それを右から全部探して?」

「わかった!!!」


「上から3段、右から7段の『秘密基地の作り方』下から5段、右から...10段の『氷室のなぞと秘密基地』上から6段、右から...16段の『小さな秘密基地の造り方』」

(ちなみに実際にある本達です。)


 その後の本も全部言っていき―――


「すごい...すべて正解だ。」

「よっしゃぁ!!!...で、なにかあるの?」

「今言った本を右から順番に取っていってくれ。」

「はぁーい!」


 数えた「秘密基地」という単語が入ってる本は、計十冊。

 残りの一冊を手に取り、本棚から抜き取ると―――――


 ピロピロリン


 ゲームの音で流れてきそうな音が聞こえ、次の瞬間...視界が暗転した。


「ん...ここは?」


 目覚めたとこは本がたくさんあり、天井が見えないほど高い円形の部屋。

 真ん中に図書室と言えるような場所には似合わないようなワープポータル?がある。多分私はここからワープしたのかな?


「よ...っと、この感覚には馴れないな。」

「あ、ねぇ...ここどこなの?」

「ここは僕の知ってる秘密基地だ。ここにはよく僕の仲間がいる。」

「え!?仲間がいるの!?あなたに!?」


「し、失礼だね...まぁ友達関係ってよりも立場が同じ...って、そんな話よりもここの説明をしたいんだけど。」

「あぁ、ごめんごめん☆テヘペロ☆」

「...」(引)

「あぁ!?ちょ、ごめん!?引かないで!?」


「...まぁ説明に入る。ここの図書館は世界のあらゆる本がある。絵本から小説まで、勉強から遊びや色々な本があるんだ。特にここの図書館の性質がすごくてね。誰でも浮遊と唱えれば技を習得していなくても自分の好きなように飛べるし力も消費しない。そして本を見つけたらそのまま浮遊しながら読むのもよし、一度床の机と椅子に戻って読むのも良い。ただし、現実に持って帰るのはだめだ。」

「なんで?」


「ここの図書にある本はすべて図鑑のようなものだ。ここは別世界と捉えておいてくれ。ここの本と現実の本は繋がっている。つまり持っていけば現実の本が自分の手元に来てしまうのだ。そうなると持ち主がパニックになってしまう。」


「...なるほど、わかった。絶対に持って帰らないようにするね!!!」

「じゃぁ、親が心配するだろうから解散しよう。」

「うんわかった!!私はここで本のジャンルを軽く見ておくから先に帰ってて!」

「わかった。じゃあまたあした。」


シュウィン(ワープした音)


「...私を心配してくれる親なんて居ないのに...「なにがうんわかった」なんだろう...にしても、良い隠れ家見つけられてよかった。私の親がひどい人だってことも秘密にしておこっと...」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る