呼井亭の秘密 解説

 初めまして、またはこんにちは、ハナビシトモエと申します。


 今回は呼井亭の秘密の解説編をご紹介します。


 呼井亭は元々夜這よばいという意味を込めようとしました。作品世界のイメージは京都の高瀬川です。とてもきれいな小川で、春は桜が咲くそうです。一度行ってみてください。


 学生の頃に夜這いの文献研究をして、夜這いはある集落ごとに存在する文化で、女性経験の無い男子が精通を迎えた後に年上の女性から性の手ほどきを学ぶ場でした。


 ですが、現在に落とし込むのは非常に困難です。今もどこかで残っている文化かもしれませんが、勝也は他の階段のある家と違ってうちは平屋だといっています。


 団地がある町に夜這いの風習を入れるのは中々難しいです。ファンタジーにすれば何でも入れることは出来ますが、性的な風習をファンタジー世界に落とす事は容易ではありません。


 高瀬川周辺はたくさん美味しいご飯を出す店があり、廃校した小学校を使ったユニークな施設もあります。ですが、京都市のど真ん中なので、山手に行けば平屋はあるでしょうが、団地滅多に無いでしょう。

 そこのフィクションはお許しください。


 京都は私にとっては都会で、集落や村などの風習はイメージしにくかったです。


 さて、木造二階建ての建物ですが、タンちゃんはその建物の二階にいる儚げな女性に恋をしてしまいます。呪いの一種として想定をしました。その中でもセイレーンとしてのものです。


 セイレーン伝説は船に乗る男たちを歌声で魅了し、遭難させます。このお話はタンちゃんが建物の女性に魅了された。という話です。


 タンちゃんは女性に三味線や琴などを習います。そうして仲良くなっていき、タンちゃんの魂を持っていきます。


 タンちゃんはなぜ戻ってこなかったのでしょうか。戻った方が辛かったからか。そう思わせる何かがあったのか。


 タンちゃんは彼女を捨ててでもセイレーンに身を捧げて、爺ちゃんが後に「気に入られた」と、言います。


 セイレーンに気にいられた男は遭難し、戻ってきません。きっとセイレーンが離したく無いほどの魅力がタンちゃんにはあったのでしょう。

 

 ハナビシ

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呼井亭の秘密 ハナビシトモエ @sikasann

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