ガラスの殺し屋

ひぐらし ちまよったか

告白

 ――ゆりは幼稚園ガキの頃から絵本の好きな、可愛らしいお嬢だった。住む世界が違い過ぎる。

 だから俺は、大仕事の前に賭けに出た。


「俺と、付き合ってくれ」


「……うん……いいよ」……夢のようだった。


 潤んだ瞳で見上げるゆりの手に、手紙をねじ込み仕事へ走る。


 ――対立組織の、幹部暗殺。


 彼女は追い駆けて来てくれるだろうか?


 俺にガラスの靴を履かせて、組織を裏切る勇気をくれるだろうか?


 彼女の好きだった、絵本のように。


『この魔法はあと十秒で解けます』

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ガラスの殺し屋 ひぐらし ちまよったか @ZOOJON

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