寝る前にいかが?短編の少しだけ怖いお話

@nando_

一つ目のお話 背中

誰もいない山奥。神社。

古びていて、苔が生えている鳥居。

この鳥居をくぐると、神隠しに遭うなんて噂を聞き、こんな虫が飛び交う山に来た。

「よーし!やるぞ!」

正直来たくなかったが、こいつは神隠しに遭ってみたいらしい。

鳥居の下に行き、儀式の方法をスマホで見る。


『二人で背中合わせになり、

3歩進み、後ろを向いて、また振り返る。

そして、後ろを見ずに5歩後ろに進む』


やり方の通り、背中合わせになり、

いっせーので声を合わせて儀式をやろうと言った。

その時、背中に何か当たった気がした。

「いて」

虫がぶつかったみたいだ。

「何やってんだよ!ほらやるぞ!いっせーのー……」


俺は冷や汗が止まらなくなり、

急かすようにタイミングを合わせようとする友達を置いて俺は走り出した。

俺は振り返らなかった。

友達だったものを見ないために。

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