今朝が初めてではない登校
今朝もまた、よくもまあああグネグネとアスファルトは曲がっていられるものだなと、勘違いを起こしていた。
地球に合わせて繕われたスタンダードな被せ物で、曲がっているのはただ僕の足の方向と、それについての口振りだけであった。
まあだからといって、アスファルトの下が本当にあるのかを見たことは無いのだし、いずれにしてもこの地面はプレス加工の産物ではない。
それにしたってこの酷い高低差は局地的で、ただでさえコンパクトな僕の立ち位置を更に見づらくしていたのは事実である。
いっそ盛大に地面が割れてくれと思ったのも束の間。思い出したかの様に跨ごうとした段差は、一体どこから思い出したというのだろう。そんなものは無かった。
盛大に転んで、盛大に拍手された……気がした。どうして恥ずかしくもないことを恥ずかしがらなければならないのか。
ところで、誰も見てはいなかったのだということには安堵した。そういう矛盾。
何が「ところで」なのだろう。そこに一人いるじゃないか。一瞬ボールか何かに思えたそれは生首であった。かの様に見えたこれにはちゃんとその下があった。
別にここの地形によるトリックアートでも何でもなくて、ただ僕が殆ど目を瞑りながら歩いていたからである。
「ああ、ごめんなさい。」
勝手に開いた僕の口を以て、女子高生と衝突したのだと今更に知った。
僕は彼女が幽霊ではないかと疑い続ける。 スルメ大納言 @surume2003
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