第2話 BAD END1「小学生に暴力を振るった有段者の末路」

「あはは、お姉さん。二人っきりだね?」


……え?ハルくん、いつもと雰囲気が違う…。


「う、うん?そうだね。

さ、さぁ、格闘ゲームやろっか!」


「うんうん、やろうねぇ。ベッドの上でプロレスごっこ…なんちゃって笑」


え、私…押し倒され…?

「ちょ、ちょっと止めなさい!」

や、ヤバイ。油断した…!この体勢だと穏便に逃げられないかも…。


「止めるわけないじゃん。どうせお姉さんもそのつもりだったんでしょ?男の部屋に一人で来るってことはそういうことでしょ。」


ちょっ…コイツズボンに手をかけて…まさか本当にやる気…!?


「小学生のことそんな目で見るわけないでしょ…!」

くっ…擦り傷くらいは負わせちゃうかもしれないけど逃れるにはこれしか…!


「イタッ!……おかあさーん!!!」


えっちょっ泣いて親を呼びやがったこのクソガキ…!しかもズボンも直してやがる…!


「ハルくんどうしたの!?

…あら、擦りむいちゃってるじゃない…!!」


「お姉さんが…お姉さんがいきなり突き飛ばしてきて…!」


は、はぁ!?私の所為!?


「い、いや!ハルくんがいきなり押し倒し「ウチの子がそんなことするわけないでしょ!大体まだ小学生なのよ!?」」


わ、私もそう思ったんだけど現にそうだったんだから…!


「何よ睨み付けて……今まで仲良くしてくれてたからそう大きい傷じゃないし謝ってくれれば大目に見ようと思ったけど警察を呼ぶわ!」


えっ嘘でしょ!?まさか私が犯罪者に…!?


「え!?そんな…!そ、そうしたらハルくんがやろうとしてきたことも話しますからね…!?」


「はぁ!?だから小学生がそんなことするわけないでしょ!脅迫のつもり!?それも一緒に訴えますからね!」


え、えぇ…!?


♢♢♢♢♢


「そちらの方ですね?署までご同行願います。」


「は、はい…。」


「被害者のお子さんとは仲がよかったそうじゃないですか。何故いきなり暴力を?」


「い、いや、ベッドに押し倒されてズボンに手をかけられて…その、強姦されると思って…。」


「はぁ…?小学生がそんなことするわけないでしょう。勘違いでは?」


「えっ…だって止めてっていっても聞いてくれなかったし…そういうニュアンスのことを言われたから…。」


「はぁ?大方ふざけて遊んでいたのを貴女が勘違いしただけでしょう。そもそも小学生相手にそう思うする時点で性的な目で見ていたのでは?」


「ひ、酷い…。」


♢♢♢♢♢


その後、故意ではないという主張は認められたが主張が過ぎたため被害者感情を逆撫でてしまった。


その結果有段者であることで怪我を負わせずに制圧することも出来たとして過失傷害罪として訴えられ、罰金刑を科された。


それにより服役にはならなかったものの前科がついてしまった。

罰金刑であれば教員免許は取れるものの、正常に通える精神状態ではなくなり、退学した。


また、道場からも子供に怪我を負わせたことを理由に破門にされ、何もせずに引き篭もるように。


両親も最初は心配そうにしていたが、段々と面倒が増え、記憶も薄れてきたことで過失傷害罪で罰金刑を食らってから引き篭もっている娘という事実のみを見て、娘を責めるように。


…数年後、自室で首を吊って亡くなっているところが発見された。

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薄幸の美少女の話 モブ子 @kotohahine

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