第2話 壊れた歯車

ここは大陸でも名だたる都市東京かつて竜災を経験しながらも復興し大都市として存在する場所に少年と師匠と師匠の付き人がいた。

『師匠どこに向かっているんだ』

『なに、緊張することはねぇギルドに行くんだよ』

『ギルドって何だい』初めて聞く言葉に少し不安になる

『ギルドってのは何でも屋だ討伐や採取、雑用なんかをやる何でも屋さ聞いたことないか?』不思議そうな顔で聞かれた

『うちの両親は国に仕える騎士だったからギルドのことは知らない』

『騎士とは珍しい、今の時代は国がほとんど存在せずギルドが国の役割をしているのですから貴族気取りの金持ちがほとんどで騎士など絶滅した制度だと思っていました。』メイドが驚きながら答えた

『国が存在しないって治安は大丈夫なんですか?』

初めて国の外に出たからなのか少し心配になってしまう

『そこら辺はギルドが代わりをしてる治安維持も依頼としてあるしな』

本当に国の代わりをしているんだなと思った

『着きました。』

話し込んでいたらいつの間にか着いてしまったらしい

『ここに来たのも久々だジジィ元気にやってるんかね』

『あの方のことです。また二日酔いになってるのでは?』

誰の事だと思ったその時屋敷の中から何かが飛んできた

『なんだなんだ今度は何が飛んできた』師匠がああまたか、という顔をする

『岩のようですね』メイドもあきれながら答えた

そう大岩がまさに今入ろうとした玄関の入り口をふさいでしまった

『変わってねぇなジジィ来てやったんだから玄関開けろ』師匠が面倒くさそうに言う

師匠がそういうと岩がゆっくりと持ち上がる

『っだよ人が気持ちよく飲んでるのに邪魔するバカはどいつだ?』ダルそうな声で答えてきた

『わしだよ、天下の雫様が返ってきたんだ中に入れてくれんかね』師匠が堂々と話し

『雫か要件は何だあいにくとギルドのメンバーは竜災の後始末で駆り出されてていないぞ』当たり前のように岩を片手に答える

『知ってるだから来たんだ騒がしいのが苦手なのは知っているだろ』いやそうに答えた

『お前はいなくなったと思えば突然帰ってくるな、竜災がらみか?』

『まぁそんなところかね』

それを聞くと老人は片手で持ち上げた大岩を飛んできた方角に投げ飛ばした

『相変わらずですね。またサブマスターに怒られますよ』メイドがあきれた顔をした

『あのメガネのことは言うなせっかく気持ちよく飲んでたんだぞ』キレ気味に酒瓶をあおる

ダルそうにしながら老人は屋敷に入っていく

『師匠今の方は?』

『ああギルマスこの東京で一番偉い人っていえばそうなんだが基本的に仕事が嫌いで酒瓶常に持ち歩いてるジジィだと思っておけ』

師匠がずかずかと中に入るのを見て慌てて追いかけるとそこには、カウンターがあるが奥に畳の敷かれた広い空間があった

『ここがギルド』少し緊張しながら進むと見透かされたようにメイドが話しかける

『緊張することはありません国のような礼儀作法はありませんから』

『そうそうかしこまる必要はねぇ』

始めてきたはずの場所で緊張していたがだんだんほぐれてきたと思った時にギルマスににらまれる

『で、このガキは何だ』

『竜災の生き残りだよ弟子にすることにした』

突然空気が重くなりギルマスからとてつもない殺気を感じた

重い空気でくらくらするがこれを超える殺気を経験していたためなのか気絶せずに堪えた

『確かに資格はあるようだの』そういうと殺気がなくなる

『当たり前だろわしが見つけたんだから』師匠が胸を張りながらいう

『で、ここに来たのは登録か』

『ええ、それとあれのテストも』

頭を搔きながら面倒くさそうにギルマスが紙とペンと水晶を持ってきた

『ギルドの登録は簡単だだが、これは金もかかるし何が出ても責任もてんぞ』

『お金の心配はいらないよこれでも稼いでるんだから』不安な視線に気づいた師匠が言った

『変なのが出ても知らんからな』

ギルマスに水晶まで手を引かれ、水晶に触ると水晶が光り始める

『これは』

初めて見る現象に目を細めるとだんだん光が収まり、水晶のあった場所には下駄が残っていた

『これは珍しい武器だな』ギルマスが笑いながら言う

『武器?』

履き物として下駄は知っているが武器といわれると違和感がある

『この水晶は心象石と呼ばれるもので心を映す鏡で武器や動物や精霊にもなる不思議な石さ持ち運びも楽だが何が出るかわからんから人気がない』ギルマスが答えた

『試しに履いてみろ何かしらの能力はあるはずだから』師匠がにやにやしていた

はいと答えると下駄を受け取り履いてみる

特に変わりわないようなと言いかけた瞬間地面がはじけ飛んだ

すると瞬く間に師匠に受け止められた。

『っと危ない危ない修繕費要求されるとこだった』

弟子が吹き飛んで出たセリフがそれかよと思いながら自分の立っていた場所を見ると地面がえぐれていた

『爆発する下駄かなかなか面白いものを引いたな』ギルマスが笑いながら言った

『ええですが訓練が必要です』

『その辺はわしが教えるよさっさと登録しよ』

登録は本当に簡単だった名前を書くだけで終わってしまった

『深紅でいいな』ギルマスが確認する

『はい』

何事もなく登録できてGランクの冒険者カードをもらう

『変なことするなよ俺の責任になるんだから』ギルマスが酒瓶片手に言う

『へいへいわかってるよ』師匠が適当に答える

『取り合えず宿をとらないとですね』

『その辺は任せるガキ行くぞ』師匠が駆け出す

『え、』押し付けるのかよ

『はぁ行ってきなさい』メイドがため息交じりに言う

街外れの森についた

『さぁ下駄を出しな訓練を始めるぞ』

『はい』言われるままに下駄を出す

『まずは歩くことからだな爆発しないで歩行練習するぞ履き物が変わるってのはバランス崩れやすいから気を付けてな』

とりあえず一歩と思った瞬間に自分の視界が変わる

『こりゃすぐには無理だな、まぁ気楽にやろう』師匠が出した手をつかみ何とか立つがこの日は気にひたすら体をぶつけるだけで終わった。


一週間後

この一週間体をぶつける毎日で才能ないのではって思い始めたけれども何とか歩けるようになった

『よし早めに次のステップに進めるな』師匠がそういうと少し自信が持てた

『早いんですか?』そういうと師匠は

『大体二週間ぐらいかかると思ってたからな早いほうだ』

ここからが修行の本番だと思う少し緊張した

しかしそんな生易しい修行ではなかった。

『よしここからは組手に入る私に一発入れるまで』

『はい』

なんでもありの組手は本当に何でもありだった金的、目つぶしは当たり前しかもその間爆発は禁止という縛り付きで正直歩く練習より寝転がってた時間が長かった。

だんだんキレてきて寝込みにかかと落とししそうになったが、我慢したこの一週間で師匠の負けず嫌いはよくわかった前に暴発で攻撃が当たりそうになった時明らかに攻撃の手が上がってギブアップすら許されなかった。

あまりに殴られすぎてテンションがおかしくなって笑い始めたあたりでメイドのストップがなかったらマジで死んでたかも何とか一発入れられたのは半年先だった。

『よし、暴発なしでわしに一発入れたな』師匠がやっと認めてくれたその瞬間涙が止まらなかった。実は暴発含めたら二か月で終わってた訓練だったので余計に感情があふれ出した

『次は爆発のコントロールだな暴発はなくなったから今度は爆発を使った移動だな』

『爆発で移動、まさか森の中でですか』最初の訓練を思い出す

『当たり前だろ』当然という表情で師匠は言う

しかし思いのほか何度もぶつかったりしていたおかげか一週間でコツをつかめた

『よし基本はできたなここからは実戦あるのみだってわけでギルドにいくぞ』

ギルドにつくとたくさんの人でにぎわっていた

『わしひとごみ苦手なんだよな』ダルそうに師匠がしていると師匠を見つけたギルドの職員のような人が慌てて中に入っていく。

少しするとギルマスが出てくる

『雫仕事だ』はぁここに来るとこれだからって顔をしながらギルマスについていく

ついていこうとするとメイドに止められる

『あなたはここで別の依頼を探しなさいギルドにも慣れたほうがいいので』

仕方なく受付に行くと『初めまして冒険者ギルドにようこそ』

『このランクで受けられる依頼はありますか?』冒険者証を見せる

『Gランクですと小鬼の討伐依頼が出ておりますのでこの依頼はどうでしょう』

小鬼低級モンスターで比較的に簡単に狩れるらしい場所も訓練していた森の近くだし迷うこともないだろう

『じゃあそれでお願いします。討伐の証はどうすればいいですか?』

『小鬼の討伐の証は耳になりますので忘れないでくださいね』

『はいわかりました早速行ってきます』そういってギルドを出る

森に行けば出会えるって聞いたけどっと早速見つけた

先手必勝だな爆発の勢いで蹴り殺す。今更だが初めて命を奪ってしまったなと思いながら順調に刈り取っていく20を超えたあたりで異変にきづく今まで修行しててここまでこのモンスターに出会わなかったのにこれだけ狩っても減る気配がしない明らかにおかしいそう思った時にはすでに遅く目の前に竜のような見た目のモンスターがいたこいつだこいつが原因で小鬼がここまで出てきてしまったんだ。

そういえば師匠に聞かされたっけな亜種竜の存在を知性がなく本能で動くことしかできない出来損ないの竜がたまに生まれ出てくるのだと、逃げるしかないかだけど、あいつには翼があり飛べない俺では逃げ切れないだろうなら運が悪かったと戦うしかないそう思うと笑えてきた

さて俺の技はあいつに通用するのかな爆発による不規則行動でまず敵の動きを観察、爪による攻撃、翼によるガードと回避方向の誘導、口からの炎、こちらの攻撃は効いているように見えるが翼と爪による攻撃で頭まで攻撃を当てられない理性がないって話だったのに明らかに攻撃を誘導されている気がするしいつまでも木の陰に隠れながら逃げ回れないしここらで仕掛けるか

爆風を使って亜種竜の周りを回る加速し自分の体も悲鳴上げながらさらに加速していくこれ以上はというタイミングで頭に向かって蹴りを入れに行くそれを読んでか攻撃の軌道上に炎が来る回転をかけて軌道を修正するさすがにこっちの軌道修正には対応出来なかったのか直撃したさすがに効いたのか崩れ落ちる

『さすがに効いただろ』油断なく近づくと竜が光りだすだんだんと体が崩れていき最後には人型になったしばらく距離をとりながら観察していたが目が覚める気配がないので近づくと目を覚ました

この出会いが文字通り世界を変える出会いになるとはこの時の俺には思いもよらなかった

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爆炎のドラゴンスレイヤー @kurotukikukuri

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