爆炎のドラゴンスレイヤー

@kurotukikukuri

第1話 プロローグ

『あきらめない、あきらめきれない、あいつを倒すためなら何でもしてやる』

いつの間にか声に出していた言葉に反応する影が二つゆっくりとだが確実に近づいていた

『こりゃすげぇ生きてやがるよ』

瓦礫に埋もれながらも必死に生きようとする姿を笑いながら近づいた女が瓦礫越しに話しかける

『よう坊主幸運だったなわしは気分がいい助けてやろうか?』

もう一人の女が上から目線の女に助けないの?と聞いた

『助けるにしてもタダはダメだわしのポリシーに反する。ガキ、助ける礼として何ができる』

一瞬考えたが答えは出なかった。

ただこのまま何もできずに死にたくないという気持ちだけだ

『家族は死んだ財産もないだけどあのドラゴンを倒したい』

それを聞くと笑い出した

『ドラゴンてのはまさに災害だぞ竜災と称されるほどに強く国もギルドも討伐をあきらめるレベルだ、まれに頭のイカレタやつが倒しに行くことはあっても戻ってくるものは少ない、国やギルドでもいても1人か2人だろうよ』

それでもいないわけじゃないと口にしようとした時、瓦礫が動き出す急な光がまぶしくて手で顔を覆うと先ほどよりも大きな声で笑った女が瓦礫を片手で持ち上げていた

『だがいい気合いだこれだけで飯がうまくなる、来な鍛えてやるわしの修行は地獄だぞ』

その言葉でわかったこの人も同じあきらめの悪い人だと

『わしは雫ガキ名前は』

『深紅』そう答えると女は笑いながら

『じゃあ深紅これから地獄と思えるような修行が待っているがついてくるならドラゴンを倒せるように仕上げてやる』そういうと手を伸ばし俺を持ち上げた

『本当に連れて行くのですか』先ほどは見えなかったがメイドが雫の隣にいた

『当たり前だこのわしにドラゴンを倒したいなどと言ったんだ連れて行くにきまってるだろ』

はぁとため息を漏らしながら

『また面倒ごとが増えるのですね』

『面倒ごととはひどいただガキの世話を任せるだけだぞ』

『それが面倒だと…囲まれてもっすね』メイドの表情が険しくなる

『まぁまぁの数だがこっちの索敵をかいくぐれるってことは光学迷彩持ちだろうな』

周りを見回しても何も見えなかったがどうやら囲まれてるらしい

雫がだるそうにしながら手を振ると何もないところから氷が自分たちを中心に無数に展開された。

すると何かに当たっているのか氷が砕ける場所がいくつも存在した

さすがに隠れてるのが無駄と判断したのか姿が現れ始める

『なんだよ迷彩付きの装甲獣かよもっとやりごたえがあるのかと思ったのに鈍ったか?』敵に囲まれているのにのんきに頭を掻きながら再び手を振ると今度は周りが一瞬で凍り付いた

先ほどまでも景色とは明らかに違う銀世界に心奪われると

『こんなもんだろさっさと行くぞお前ら』と何もなかったかのように雫は歩き出す

『さすがですね。光学迷彩付き装甲獣を一掃とは』

『雫さんて何者なんですか』当たり前のように世界を変えたその人から目が離せなかった

『ドラゴンスレイヤー、世界のルールに逆らい世界を変える力を持ったお方です』


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