筋肉痛のわけ
ハナビシトモエ
物件探し
三十を過ぎた辺りから体に衰えを感じる。おそらく二十九から感じていたが、自分は二十代であるという自意識が体の動かなさを考えさせなかったのだろう。
十五歳年下の従姉妹はいつの間にか小学校を卒業して、いまや高校進学の受験生である。成長は時に残酷である。
話は変わるが先日山登りをしてきた。駅から徒歩四分景観良しの家が本当に四分か確かめるためだ。一緒に登ってくれたのは不動産屋さんのお兄さん。老けて見えたが、二十九歳。年下だった。
車でも急こう配で駐車するのも怖い状態。
駅前から行きましょうという言葉にそれはさすがにと止める不動産屋さんのお兄さん。幸いさすが徒歩四分だけあって、すぐ近くに駅があった。
駅からストップウォッチをスタート。なだらかな坂にこれなら余裕と思っていたが、次第に坂は急こう配になった。
そうだそうだこういう降りて来る時急だと思った。腰を曲げて、一度も歩みを止めなかったが、物件の外階段でくじけた。
外階段を登り見た景色は格別だったが、これは無い。
帰りは高級車ばかり走っていた。車に乗れぬ、平民の私が住むレベルの街ではなかったのだろう。ちなみに駅徒歩六分であった。
筋肉痛のわけ ハナビシトモエ @sikasann
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