第7話 掃除 4

爆発による煙


噎せ返るようなこの香り


これが私の生を感じさせる


破壊の為の暴力

破壊の為に私は生きているのか?


この世界を感じるといつもこんな疑問を抱く


だが、これも私達が生きる為に必要なことだ


ダディ

「こちらダディ、掃除の時間を始める」


リリィ

「りょうかーい、

 弾代はボスティーが全部だしてくれるって

 ガンガン撃っちゃってよ

 これからのお店のためにもね」


節約するつもりは無いが

弾代全額なら話が変わる


遠慮なく今日持ってきたものは使わせてもらう


ダディ

「分かった、

 跡形もなくなるよう掃除をしよう」


ガチッ、カコン


肩のバズーカの次弾装填の音がする


もう1撃、撃ち込むとさせてもらおう

先ほどからこちら高所から狙うライフル


それに向け体を動かす


キュルル!ガガッ!


履帯の走る音がし、停止により地面を削りとる


「こっちを向いたぞ!早く撃て!!」


そんな言葉を発しているような動きをし

ライフルが発砲された


カツ!カッン!!


私の全身を包む鉄板による装甲により

それらは弾かれる


無慈悲かもしれない

効果のない攻撃をするしかない兵士

次に自分達を襲う爆撃は避けられない

そんな者たちに向けて放つこの攻撃


ダディ

「すまないな」


ダンッ!!、、、ドォォォン!!!


哀れみを含む1言とともに

肩のバズーカを発射する

その後、彼らのいた塔のような物は吹き飛ぶ


リリィ

「もっと派手にしちゃってよぉ!

 お店から見えないじゃない!」


通信からリリィの声がする

相変わらず爆発が好きなようだな


ダディ

「それなら、多弾のミサイルによる

 絨毯爆撃なんか作れ

 単発のバズーカならこれが限度だな」


リリィ

「それ良いね!!

 次作るのはそれにしよっと♪」


冗談まじりに言った1言だったが

どうやら余計なアイデアを

与えてしまったようだ


タディ

「これより、工場内部の掃除を始める」


自分の仕事を思い出すかのように

そうリリィに伝え、履帯を走らせる


この地面を削る履帯のように

よそ者を削り、始末するのが私の仕事なのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アサルト・ダディ ゴリゴリゴリランテ @yuki-notu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ