私たちは当事者になることはない

図書館のテラスにいる男女二人が『風景』を見る話である。
それを風景と言ってはならないが、二人は眼下に左翼組織の集団を見る。
二人は『認識者』として観察していくが、彼女だけは違う光景を見ていた。
だが、二つの波が起こす現象に二人ははまっていくのである。

誰が悪い等はないが、ただ人ひとりで見る景色は違うのだ。
上も下もない。そんな無情さが作中から感じとった。