第13話 異次元な力を目の前に...
「わたし、何者かに狙われてるかもしれないの...」
「......マ?」
俺は、なんかよくわからんけどオーバーリアクションで驚いた。
ルリアはもう一度話し始める。
「おそらくだけど...れいやと同じくらい強いと思うんだよね...」
「おお、それは凄いなあ...」
俺の場合は現世での知識があるから強いが、相手の場合はこちらの世界での知識とかしかないはず、だから凄い。
「それでね、れいや...わたしに魔法を教えてほしいんだけど...いいかな?」
「それはいいけど、俺の魔法は独特だから使いにくいんじゃないかな?」
「いやいや、れいやができるなら私もできる。ね、でしょ?」
ルリアはドヤ顔で言ってきた。まあ、それなら仕方ないか...
「じゃあ、まずは算数をできるようにしろ。これがないと基盤が作れねえぞ」
「ぎゃあ...」
「あからさまに嫌そうな顔をするなよ...そんな嫌かよ...」
俺は、好きな教科である数学に嫌そうな顔をされたから、気持ちが少し落ち込んでしまった。
*
場所が変わって俺は家に帰るルートに入る。こっからは妹の算数やら魔法やら......
「なあ、いいだろう、俺のバーティに入らないか?!!」
「い、嫌です」
妹であるりなが変なやつに絡まれていた。何だあいつ、てか髪型が金髪だ...ヤンキーだ。
とりあえずだが、俺はりなを助けようとりなの方へ向かう。
「チッ...仲間がいたか」
「は?」
後ろから斧を持った男が、走りながら、斧を振りかざそうとする。このままでは頭がかち割れてしまう。
「エルクシール!」
俺は、召喚した剣、エルクシールで男が振り下げた斧を防いだ。
この剣には召喚とかのスキルがついている。召喚だけではなく、たくさんの付与効果がついている。
「それは、魔剣か...」
そいつは斧を後ろ向きに振り下げて、その慣性で体が回転し、そのまま後退した。
「魔剣じゃない、ただの特別な剣だ。」
これは、二ホウ化レニウムという素材から作ったものだ。ダイヤモンドよりは柔らかいのだが、鉄より圧倒的に硬く、安価ではあるため作れたのだ。
その後、俺はその剣に付与魔法を3つ、備え付けた。
1つ目は自動修復で、名前のとおり多少のギズは回復する。2つ目は召喚要請、さっきのやつだ。3つ目は....
「属性付与!」
俺は、自身の火属性の魔力をエルクシールに入れることで、火がまとまりつく...そんな剣になった。
「なっ、それは.....」
「レーヴァテイン...なのか...」
りなを勧誘していた男が俺の剣に興味を持った。
まあ、これでりなに興味を持たなくなったか.......
「俺は、運がいい!!!」
「え.....」
刹那、俺の目の前に先程までりなのもとにいた男が俺に向かって突進してくる。
俺は、無意識的に防御体制を取る。
「はぁっ....」
間一髪で、俺は男が突いてきた剣先をエルクシールの剣先で突き、衝突させる。
「なんだ、その剣は......」
男はやけに驚いたリアクションを取る。
よくわからないが、自分でも今のは凄いと感じた。反射運動と言うやつだな。
「す、素晴らしいなぁ!!!」
その男は気味の悪い笑顔を放つ。
そこから莫大な魔力がまぼろび出る。前戦った男たちとは比べ物にならないほどの魔力量だった。
しかし、顔キッッショ......
「おい、カノン!流石にこれ以上の魔力回路の開放はだめだ!」
「魔力回路....」
俺は、莫大な魔力をただ単に、凄いと思っていた。
現世と異界を精神だけ行き来できる俺は医者と賢者を目指す。 Blue @ails
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