第12話 初めての友達は馬鹿でした。

「ねえねえ、れいや〜」


ルリアが俺の服の裾を掴んでくる。

場面、どころか世界が変わるが、現在...異界の方に俺はきた。


「なんだ?ルリア」


ルリアはショートヘアの白い髪、青色の眼をしている可愛らしい女の子だ。

ロリコンだったら告ってるね。なんか友達になった。初めての友達だ。嬉しい!


「この問題...よくわからないんだよね...」


「.......足し算引き算......」


こちらの世界では大体知能のレベルが5,6年ほど遅い。あっちの世界での小学生低学年程度の問題がが中学生のようなものだ。


「ぶっ...67+33って...小3かよ...」


「笑うな!てか難関学園のC問題だ!」


「...最難関学園では?」


「......A問題...」


こちらの世界では中学校というものが学園というものになる。4年制で、16歳までらしい。おまけにA問題とかC問題とか言うのは、レベルだ。

つまり、難関学園のC問題、現世の方では応用問題のようなものだ。

まあ、レベルは圧倒的に現世が上だけどな。


「これが....難関学園のC....ぷっ......」


「おい、魔法をブッパするぞ!」


「これが、おいおい、これが学園での普通の問題だぞ?」


95×56


「...れいや、嫌い...」


「いやいや、これ簡単だし...95×56すれば終わりだぞ!サイン・コサイン・タンジェント使わないからめちゃくちゃ楽だぞ」


「何?!そのタン・ホルモン・サーロインって」


「それ、全部肉だよ」


ほんとにレベルが低いんだな。こっちはをやっているのにな....。微分積分とかな。


「何がだめかって、それは難しく考えすぎなんだよ」


「95×56なんて95が56個あるんだよ...こんな問題...絶対おかしいよ」


「は?(90+5)(50+6)すりゃいいんだろ...」


まず、あら簡単ね、90×50をします。まあ、4500ですね~。まあ、そんなかんじに90×11=990と5×6=30をします。そしたら...


「5520な?」


「こんなんできるかぁ....」


まあ、ここまでできれば魔術師見習いにはなれるだろうしな。でも、流石にこれじゃあ大公令嬢なのに理数のレベルが低いなぁ。


「理数は慣れだからな、やっていくしかないな...」


「そうなの?足し算引き算は原理を理解していくやり方が簡単だって学者たちは言ってたよ?」


「それは高校数学からだろ?サイン・コサイン・タンジェントとか、微分・積分とか...その辺のレベルになってからだな...」


「なに?そのサイン・コサイン・タンジェントとかって」


「今のお前にわかるわけねえだろ...」


数1なめんな。こっちとら義務教育10年間やってやっと出てきた公式なんだしな。こっちの世界とほぼ変わらねえよ。


「覚えるのはまずは和と差と乗と商だな。」


「何その明らかにやばそうな単語たち...どういう問題なの?」


もう一度言おう、こちらの世界はレベルが低い。だからとうぜん和と差と乗と商という単語も作られてはいない。この世界に来て俺が身につけていた公式や法則は大体解明されていない。何ならサイン・コサイン・タンジェントはまずまず解明しようともしていない。微分積分もだな。(さっきから言ってる公式は高校公式です)

つまり、俺、最先端の学者なれんじゃね?


「ふふふっ」


俺が学者になって、ノーベル賞とか取りまくる妄想をしていると...


「れいや...あのさ...」


「ん?」


ルリアが険しそうな顔をしているのがわかった。それで俺がルリアの方へ顔を向けると。


「わたし、何者かに狙われてるかもしれないの...」


「......マ?」


そっからの言葉が出なかったっす。



*不定期に出しているので、間が空いてしまったと思います。次はおそらく10/28頃に出します。

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