滅びゆく世界の空気を吸う――

滅びゆく世界。ただそこに在るもの。そこに居る者。静謐な空気を、見事に表現した物語です。

言葉のひとつひとつが示唆に富んでおり、読んでいると、思考をどこか深い場所へといざなってくれるような感覚に陥ります。まるで目の前に在るかのようなリアリティがあり、空想にふけるかのようなフィクションがある、不思議な感覚。静謐な空気感を五感で感じられるような物語は、一度読むと虜になる魅力があります。