第2話-① 魔法少女と勇者は説明を受けました。
私たちは修学旅行から帰ると、おばあちゃまから私の家、
法月家は二世帯住宅で、おばあちゃまとは一緒に暮らしている。自分で言うのもなんだが、我が家は大きく、二世帯で住んでも余裕のある広さだ。
座敷の襖を開けると、私以外は全員揃った状態だった。てっきり私を含め三人だと思っていたのだが、そこには
なぜ勇家のおばあさまがいらっしゃるのだろうと不思議に思いながらも、私は「遅れてしまい、申し訳ございません」と言うと、襖を閉め、空いていた座布団の上へと、正座をした。
私の目の前には、私から四畳くらいの距離を開け、おばあちゃまとおばあさまが座っている。
おばあちゃまは私から見て左側に、おばあさまは右側に座っている。その間から見える背後の掛け軸の龍が、二人の迫力をより演出させているように感じ、背筋が伸びる。
私の左側に座っている人も、同じように背筋が伸びているのを私は感じる。
「遅れてしまい、申し訳ございません」
帰宅してから来るようにとのことで、特に時間を指定されたわけでもなかったが、場の空気から私は思わず謝罪の言葉を述べていた。
「よし、揃ったようじゃの」
おばあちゃまが、満面の笑みで言う。その笑みを見て、私は嫌な予感がした。
「前置きは、話せば長くなってしまうからのぉ。本題から言うぞ。お前たちには、結婚してもらう」
……ん? け? ……ん?
おばあちゃまの放った言葉が耳を通ってきたが、脳では処理をしきれずに私は目をぱちくりとさせた。
隣に座っている彼も微動だにしていないので、きっと私と同じ状態なのだろう。
長い前置きは確かに嫌だけれども、嫌だけれども! この話は、前置きをすべきだと思う。
数秒間の沈黙が流れている間、私は何回瞬きをしたのだろうか。おばあちゃまは、満面の笑みを一切崩していない。
「
おばあさまが、沈黙を破る。
「あぁ、すまん。我慢しすぎて、早く伝えたい気持ちが有り余ってしまってのぉ」
おばあちゃまは生まれた時からこの家に住んでいて、おばあさまは生まれた時から隣の家に住んでいる。
二人は幼なじみで、「雅代」、「恵子」と呼び合い、私たち幼なじみとは違って、いつも仲良さそうに話している。
この度、魔法少女と勇者は結婚しました。 大岫千河貢 @komato5manoma5
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