第11話 4つの定冠 -1114-
8月5日に創設した新しいMjustice-Law家の資料が消えていた。
「だから歪んでいたんだ!あらゆることが!!」
8月はまだLustrevやCherseaがやってくる前だったからA冠にはヴィクトーが入っていたし、E冠にはアーサーが入っていた。一番都合が悪かったのは戴冠のチャンスがあったのに偶然にも基実くんには冠が与えられなかったことだった。亜種白路にとってここさえ押さえれば王手だったわけだし、逆に言えば三閉免疫症候群にとってはここを奪われてしまえば陥落だったのだ。
どちらもぎりぎりの戦いだったのだ。
オルレアンを時空旅人から帰還させるというウルトラCにまで至らなければならなかったのはこういうことだったのだとわかってあたしは本当に血の気がひく思いをした。
冠はE、O、S、A、U
勲章はGとH
E冠は3つの家が混在することから象徴的にU冠と変わらないことになる。そのためにU冠はフロントマンとして長く活躍してくれたSenested-Xiaoの解放を可能にした。彼は明日本国に帰り、冠保持者としてではなく銅河原の一清掃員として再起動される。
H勲章やG勲章もまたE冠と同じ意味になることから不必要になる。もともと基実くんが持っていた勲章だから廃棄にはちょうどよかった。2つの勲章制度の廃止によってMjustice-Law家がDaviwoodという名前を利用してひとつの家であったことも証明される。Mjustice-Law家がひとつの家として再起動するには良い象徴となった。
エドワード、マリコ、アレキサンダー、スヴェトラーナが目的としていたことがついに実現した記念すべき日となった。
E、O、S、Aの冠はそれぞれOは帝都に、Aはあたしに、EはLustrevに、SはCherseaに戴冠された。
「烏鷺棋の代わりに何かお祝いをあげたかったからちょうどよかった」
オルレアンもゲオルギもアルバートもあたしたちの姿に目を細めた。もちろん麻野さんもスカーニーも翠蘭さんも。
11月14日、DaviwoodとなったMjustice-Law家にはたった4つの冠しかない。この冠たちはMjustice-Law家の時代とは異なり互いに混じり合うことができる。仲介者を必要としない。
Mjustice-Law家がDaviwoodの存在を証明し、Mjustice-Law家はその名前の役目を終えた。
Amadeus Juryが承認し11月14日の始まりを、夜明けの歓喜をいまかいまかと皆が待っている。
Amadeus Jury 恩賜芍薬/ Grace Peony(♂= @falg-book
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Amadeus Juryの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。