第7話 二重人格って創作の中だけだと思っていた。

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

ズシャアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

教室内の結界が崩壊し、視界が赤く染まる。

それが、ハカナタの打った魔法だと気がつくのに少しの時間を要した。

前を見ると、紅く染まったハカナタが立っている。

目は何か怒りに染まっている。迸る朱い閃光が空間を支配している。

「ウ…ウゥゥ… 」

周りを見ると、チャーリー、ヴィクトゥーリアが倒れ、出血している。後ろにいた人たちも巻き込まれ、ところどころ床に赤いシミを作り出している。

プツリ 

エトランセの中の元々の人格『エトランセ・グラングル』のなかで何かが切れる。

「アアアアアアアアアアァァァァ!!!」


「『爍燠しゃくおう』!!!」

闇黒鬼哭あんこくきしゅう!!!」

ズズズズズズ 

ドゴオオオオオオオ!!!!

二つの魔法がぶつかり、空間が捻じ曲がる。

白一驚しろいっきょう

その瞬間、どこからもなく、一人の男が現れ、

双方の視界が真っ白に染まり、気を失った。


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学園:保健室(第一保健室)

真っ白のベットの上に乗った男が目を覚ます。

「っ…いってえ……!お前…居たのかよ。」

その男、サイモン・ハカナタが見た男は翠の服に身を包み、ハカナタを蔑むように見ている。

「貴様、この年になってあのザマか」

「チッ…わーってるよ。だけどな、よく聞け…」

そう言ってハカナタはベッドから身を乗り出し、男を睨む。

「あいつ…エトランセ・グラングルは闇魔法を使用した。……………その意味がわかるな。」

自身の行った言葉の効力を確認して、間を取って確認するように言った。

「……アア、分かっている。」


その男が口を開ける。そこには確かに常人にはない、長い歯が生えていた。


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学園:保健室(第三保健室)


「知らない天井だ!」

「うるさい!」

開口一番大声を出したらナースにチョップを喰らいました。すんません。

「ここは?」

「保健室ですよ。」

その言葉で正気に戻る。

「あ、あの先生は?」

「ああ、そのことについては、担当者さんが来てるから。安心しないでいいわ。」

担当者?

俺の表情を読み取ったのか、ナースが説明する。

「学園は危険が多すぎるから、各塔に管理人がいるの。何かあった時は管理人が来る仕組みになってるわ。」

ふーん。

すると、

バーン!!

扉が爆発?して、コツコツと足音が近づいてきた。

「ほら、噂をしたら。この塔の管理人が来たわね。」

カーテンを開けると、そこには眼帯をした少女が立っていた

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「厨二病?」

「違うわ!」

「「・・・・」」

また、独特の間ができてしまったので、ナースに聞く。

「え、アレが管理人ですか?(コソコソ声)」

「そうよ。ちょっと痛い感じだけど、480年ぐらいは管理人歴あるわね。(コソコソ声)」


「え!じゃあ、人間じゃない?」

「そう、あの子はバァンパイアなの。痛い感じだけど」

「バァンパイアって長寿種族だったんですね。痛い感じだけど」

「聞こえとるわ!」

ツッコまれてしまった。

「で、その管理人さんがなんの御用ですか?」

「お前のことじゃ。」

首を傾げると、「教室をぶっ壊したことだよ。」

「ああ~アレですか!」

「逆に何だと思ったんじゃ。」

「その関係でワシが来たのだが」

その瞬間、俺は真横に飛び降り、そのまま地面に転がった。その後すぐに俺の首を的確に狙った剣が飛んできた。


「殺す気か!」

「そうだ。」

「なんでだ!」

そうこうしている間にも攻撃はやまずに続けられる。

「それは、お前自身が一番知っているはずじゃ。」

「しらねーよぉーー!!」

「五月蝿い、この悪魔がァ!」

その瞬間少女の体に大きな変化が起きた。

短かった身長は一瞬にして伸び、翡翠の髪が伸びた。そして、

「その歯は…」

「そう、これがバァンパイアの攻撃形態じゃ」

「敵にそんなこと教えちゃっていいのか?」

「いいのだ。お前はもう死ぬからな。 


咎人を穿て、鍠鎖おうさ!」

キィン!

とっさに掴んだ剣をその武器とぶつける。

その武器は鉄の鎖の関節部分にまさかりを繋げたような形で一度振るうだけで当たりの物が壊れていく。

「…マジすか。」










 

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