第21話

 ハンナと出会ってから3年、この世界に学園が出来た。

 昼と夜の国の間、聖獣に囲まれてるから聖獣学園。


 制服は普通のブレザー、汚れても良い様に黒だからカッコイイ。

 しかも貴族が支援してくれたから、制服が買えない平民枠には貸し出し、お陰で皆が大事に着てくれる。


 その支援してくれた貴族は、勿論アーテルことメラニア。

 1番の支持者になってくれて、ダンジョンを制覇しながら宣伝と自慢をしてくれてる。


 夫婦で。

 私の攻略キャラ、人間の奴隷の男の子を買って、そのまま食べられちゃったらしい。

 ヤンデレだからね、分かる。


 それとアヤトの攻略キャラ、エルフのベルデはウチの学園に通ってる。

 魔道具の何処でも行けるドアでエルフの森から通って、人間に偽装して普通に生活してる。


 それとヴァイオレットは、アベルと結婚した。

 初めて会わせた時にヴァイオレットが一目惚れして、もう押しに押して結婚。


 シアンもだけど、シスターモレノにも子供が出来た。


 それからスカーレットは貴族に見初められたんだけど、正妻の立場を遠慮して、子供は居るけど妾の立場のままらしい。


 そして、まだハンナのお父さんとお母さんには会ってない。

 けど、裏でカインお兄さんと話してるのを聞いて、会わないでも良いかなと思ってる。


『ハンナ』

《ユラ、似合ってますよ、制服》


『えへへ』


 ハンナのお姉さんのルルワは奴隷紋を入れるのを止めて、星の国でゆっくり過ごしてくれてる。

 アワンは人間の奴隷を奴隷から解放して、蛇の獣人と結婚した。


 奴隷だった人は学園で教師をしてくれる事になって、ルルワが元気になるのを待ってる。

 刺青を入れられただけなのに、何でか惚れたらしい。


「あっと言う間に、もうこんなに大きくなって」

『お兄ちゃん、早い』

「本当、これから」


 キョウが入学式と創立式を同時にする日に、消えた。

 念の為に色んな人に探して貰ったけど、多分、帰ったんだと思う。


 毎回ちゃんとお礼は言ってたつもりだけど、やっぱり足りないんじゃないかなと思う。

 こうやって突然居なくなられると、特に。




「はぁ、もう卒業式だ」

《あっと言う間に結婚式になりそうですね》


 ハンナが言う通り卒業式が終わった直後に、カインの息子エノクがユラにプロポーズした。

 ユラも泣いてたけど、僕も泣いた。


 と言うかカインも泣いてた。


 そうしてあっと言う間に結婚式に。

 僕とユラとカインに内緒で、既に準備してたらしい。


「ハンナ」

《エノクも不安だったんですよ、もしかしたら受けて貰えないかも知れないって》


「いやー、それは無いでしょう」

《当事者の本人達は意外と分からないものなんですよ、周りとは違って》


 未だに僕は不安になる、どうしてハンナは僕とずっと居てくれるのか。


「まぁ、僕も分からないけど」

《色々と強い所が好きですよ》




 私が愛した人は、結局は統治を成した。

 ユラが朝の国の民に請われ、セレッサと共に統治を成した。


 そしてユラの子とセレッサが婚姻を成した頃、火山が地面を押し上げた。


 けれどもユラの予測と違い、平和のままに土地が広がり各国に学園が出来た。

 そうして学園都市が出来ると更に土地は拡大し、平和な統治の時代が何代も続いた。


『ハンナ』

《ユラ》


 私は何代も続くユラの家系を見守り続けた、直ぐ傍で。

 いつまでもいつまでも、ずっと。

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ケモミミ少女、スプレッド〜9回目の転生は、流石に愛に生きようと思います。 中谷 獏天 @2384645

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