第3話 お願い、許してぇ
「うちは病院っ・・・内科のクリニックですっ!」
そのまま叩きつけるように受話器を置いた。
その瞬間、つ●ぎの顔から血の気が引いた。
間違い電話が多いから応対には気をつけるよう、先生に注意されていたからだ。
これだと、病院の評判に関わる。
つ●ぎは心から後悔するのだった。
今からでも間に合うかもしれない。
つ●ぎは電話に記録されている履歴番号にかけ直すのだったの、だった。
※※※※※※※※※※※※※※※
「トゥルゥ・・トゥルゥ・・・」
電子音が鳴り続ける。
電話の相手は相当怒っているのかもしれない。
何度、かけ直しても出ない。
(ああ、どうしよう・・・)
つ●ぎは泣きそうな顔で受話器を耳に押し当てている。
バイト初日で、この失態。
先生に合わせる顔が無い。
つ●ぎは、そこまで追い詰められていた。
その時だった。(タイムスクーム・ハンターの要潤の声で読んでください)
プッと、通話音が鳴った。
「はい・・・」
さっきよりも、かすれた声だった。
「もしもしっ・・もしもしっ・・・」
必死に声を出す、つ●ぎ。
「さ、さっきは失礼しましたっ・・・」
謝罪の言葉を続けようとする、つ●ぎを、かすれた声が遮る。
「クタクタ・・・」
「えっ・・・?」
「クタクタ・・・」
「ええっ・・・?」
「クタクタ・・・」
「えええっ・・・?」
もう、ええっちゅうの。
・・・と、いう、読者のツッコミで続きます。
「ほうれん草は・・・」
「な、何ですか・・・?」
意外な言葉に、つ●ぎは聞き返した。
「ほうれん草は、クタクタに炒めるのが、ええんじゃぁ・・・」
義母の声にヘナヘナと受話器を下ろす、つ●ぎだった。
そして、切ない声を漏らすのだった。
「もう、いやぁ・・・」
両目から涙を溢れさせている。
「お願い、許してぇ・・・」
※※※※※※※※※※※※※※※
「どうしたの、つ●ぎ・・・」
優しい声で目を覚ました。
「えっ・・・?」
ボンヤリとした視界に愛おしい夫の顔が見える。
「凄く、うなされていたよ・・・」
頬を撫でる手の感触が心地良い。
「な、何でも・・ないよ・・・」
かすれた声を詰まらせる。
「はぁ・・・」
そして、大きく息を吐いた。
「ありがとう・・・」
はにかむように囁く妻の表情に、ドキッとする夫であった。
「来週から仕事するから、少し、緊張しちゃったかも・・・」
テヘペロ顔で、つ●ぎは肩をすくめた。
夫はニッコリと微笑むと照明を消した。
暗闇の中、つ●ぎは来週からの仕事を想い、少しだけ予行演習できた気がして嬉しかった。
そして、布団に潜り込むと安らかな寝息をたてるのだったの、だった・・・。
※※※※※※※※※※※※※※※
はい。
今宵も酔っぱらっています。(笑)
つ●ぎ様、皆様。
グダグダの話に、御付き合いいただき。
申し訳ありませんでした。
ではでは。
おやしゅみなさい。
ある主婦の不安 進藤 進 @0035toto
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