不条理なお話しは好きなので楽しめました。極端に壊れていないし、意味不明でもないので、読みやすかったです。不条理好きだけど、ついていけないことがあるような人でも手軽に読めそうな気がします。
タイトルが勝っているような気もしますが、それも含めて作品と考えると納得できます。
白い草のリフレインがうまく挿入されていて、作者が意図した通りの効果がでていたと思います。
欲を言えばもっと幻惑というか、見当識を失わせるようにして、読者を不安に陥れるような状況描写もほしかったと個人的には思いますが、それがあるとおそらく読みにくいと感じる人もいるので、これはこれくらいでよいのかもしれません。
白い草のリフレインのリフレインはうまく使われていましたが、そのほかにも「神は細部に宿る」ような技巧をこらしてもおもしろそうです。おそらく不条理なものは、本質が見えないのに細部は極端によく見える方が迫力あるような気がします。