第225話 天敵


180話 頑張ったんだね

https://kakuyomu.jp/works/16817330663085191362/episodes/16818093076653664969


203話 区切り

https://kakuyomu.jp/works/16817330663085191362/episodes/16818093078433447295


皐月視点の2話おさらい推奨です。


☆ ☆ ☆

なんであのふたり居るの?

試合後も俺は寒気が止まらない…。

背筋はゾクゾク、頭はガンガンかなりの衝撃。

皐月とゆかりさん…あのふたり仲悪くなかったか?


コートを出て体育館のエントランスで軽くミーティングをしてマネ子から4回戦の相手の動画が送られてくる。

それ見とけ!って監督の締めで一同は一旦解散。

昨日は女子マネは集まって食べてて…男子も体育館の外の公園でみんなでお弁当食べてたんだが…。


キャプテン『宏介?行かないのか?』


『…実は友人が来てまして…一緒に昼食うんす。』


キャプテン『そっか。また直前に細かい打ち合わせしようぜ?

少し前に集合な?』


先輩は爽やかに微笑み俺の肩を叩いた。


キャプテン『3回戦突破の立役者にご褒美奢ろうと思ったのに…もったいないな?』


ニヤって笑うキャプテンの横をニコニコ愛莉先輩が大きなカバン抱えてやってきた。


愛莉『宏介くん!お待たせ♪

3回戦頑張ったね?お姉ちゃんがご褒美あげるよ♪

手作りのお弁当だけど食べてくれる?』

※内藤くんに気付いていません。


『…あっはい。』


キャプテン『…俺が何をしたと言うんだ…!』


キャプテンが死にそうな顔色になってる?!

ここで愛莉先輩はキャプテンに気付いた。


愛莉『あ!キャプテン?

皆んなに差し入れしたから良かったら食べてね?

カツサンドとおかずなんだけど…皆んなもう食べ始めてるかもしれないね?』


キャプテンは光の速さでダッシュして行った…!


愛莉『これの余りなんだけどね?』


愛莉先輩は大きなカバンをぶら下げて、えへ♪って可愛く首を傾げた。

合宿などで知ってる!愛莉先輩は料理上手なんだよな…。


何入ってるんですか?なんだと思う?ふふ♪

そんな会話をしながら愛莉先輩と外の公園に向かった。


☆ ☆ ☆

すでに天堂愛莉のお弁当争奪戦は始まっていた!


『内藤!遅れて来た癖に!』

『4番!テクニカルファウル!』

『4番トラベリング勇み足!』


キャプテン『なんでみんな俺ばっかマークすんだよ!』


『『『お前がありったけ食おうするからだろぉ!!』』』


内藤くんはカツサンド一個、スコッチエッグ一個を勝ち取った!

…なお宏介くんには食べきれないほどの量が支給された模様。


☆ ☆ ☆

愛莉先輩と話しながら体育館から出る途中。

グイって引っ張られた。

愛莉先輩も驚いて立ち止まる。


皐月『宏介♪久しぶり♪』


…クソ女だった…。

白を基調にしてるのに妙に腕や足を露出していて清楚感は全くない装い…。

自信満々で俺に声かける神経がわかんない。

俺お前のこと大嫌いだよ?会いたくない。

それをオブラートに包んで伝える。


『…失せろ。』


愛莉『宏介くん?!』


普段は言わない言葉に愛莉先輩がびっくりしちゃう。

俺は愛莉先輩に出来るだけ笑顔で、


『コイツ大っ嫌いな奴なんです。

早く行きましょう?』


皐月は腕を組んでふふん!って鼻で笑いながら、


皐月『試合見たよ?大活躍だったね!』


『…どうも?』


皐月は少し顔を赤らめて…悪寒がすごい。

もはや少しも話していたくは無い。

なにを言われても無視して行こう。

俺はそう決めて愛莉先輩を促す。先行きましょう?


皐月はうんうん頷きながら、


皐月『宏介最近すごく評判良いね?

成績優秀で特進、バスケもレギュラーで大活躍じゃない。

…頑張ったね…今なら私に釣り合うね?突き放した甲斐があったわ。

うん合格!また付き合ってあげる♪』


『…ちょっと何言ってるかわからない。』


無視出来なかった…!

まじで本当に何言ってるの?

お前去年俺に何て言ってフった?忘れてんの?

承に会える!ってウキウキで移動して皐月こいつに会うなんて詐欺だろ?


俺の心なんてお構いなし。

皐月はニコニコ上機嫌でベラベラ自分に都合の良い事を語り出した…。

それはとても聞くに耐えないものだった…。

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