第2話
こんな小説でも読んでくれている人がいることに驚きです。
手の空いたときにしか書かないので、更新があるか・打ちきりになるかまだわかりませんが、思いの丈をぶつけたいと思います。
~本編~
「とりあえずだ、社会福祉費が国庫を圧迫しているんだ。なぜ、生産性がない老人を養う必要があるんだ、働けなくなったら周囲に迷惑をかける前に死ねばいいじゃないか。老人は皆な、思い残すことはない、もうやりたいことがない、早く死にたい等といっておるぞ。望み通り、死んでもらおうじゃないか。その方が、地球の資源つまり、酸素を無駄に消費せずにすむだろう。いままで、老人介護でどれだけの労働力が無駄になってきたかわからない。」
タヌキ王国の王子、たぬきちは悩みから吹っ切れたように言いました。
「そうだ。老人を労る等と教育してきた今までの教育内容が間違っているのだ。幼年学校の教育内容から改革し、役目を終えた老人には死んでいただく。それが「あたりまえ」になるよう教育すればいいのだ。」
たぬきち王子の考えは自分が老人の枠に入ってしまうからか、多くの臣下に反対されましたが、たぬきち王子は強行しました。
「みなさん、生産年齢人口という言葉は知っていますか。15歳から65歳までの社会を担う中核となる人たちの事です。地球の資源を活用し、生き物のためになることをしています。今は、高齢者の方も元気に働いておられますから、大体、75歳までの方の事を言うものだと思ってください。この方々は自分が消費するリソース以上の物を生産しています。地球上の限られた酸素・水・エネルギーを使用し、子の育成、教育、生活の改善等、誰が見ても生きていてもいい、と言われる側の人でしょう。
ですが、75歳以上の方々はどうでしょう。何か生産していますか。日々限りある資源を無駄に消費しているだけではありませんか。酸素を吸って、タヌキ王国の二酸化炭素排出量を増加させ、限りある食料を無駄に消費し、その消費を支えるために生産年齢人口へ増税等の負担を強いているのです。高齢者の医療費負担の軽減、医療を支える電力、介護施設への入居待ちにより生産年齢人口の人が働けなくなる。「高齢者がいるから、存在するから発生する無駄なこと」に我々のリソースの多くが浪費されているのです。
親が朝起きて、日がなテレビを見て、三食無駄にしっかり食べ、もうなにもやりたいことがない。早く死にたい。死にたいんだが死ねない。と言っているのを聞いたことはありませんか。
これからは、心を鬼にして意識を変えなければなりません。高齢者はその存在が害悪であると。寿命を全うすることは、資源の無駄であり後世のことを真に考えるのであれば一定の年齢でお隠れいただいた方がいいのです。
そのため、私は次の政策を実施することにしました。
・年度末年齢が75歳以上になる人については、警察庁の協力を得て、政府の職員が迎えに行きます。そこで、新薬の治験に参加するか、雲隠れするか選択していただきます。ご家族においては急の話で戸惑われるかもしれませんが、ここで心を鬼にして対処しなければ、後世にタヌキ王国を残すことができません。」
「チョウニチ新聞社のパン二・ハム・ハサム・ニダです。質問よろしいでしょうか。タヌキ王国では、今後高齢者は人体実験又は殺処分ということですか。」
「私は、そう言っておる。タヌキ王国の王、王妃も高齢のため、昨日隠れていただいた。王国民の意識を変えるのだ。まず、私が実施せねば。」
「たぬきち王子、お言葉ありがとうございます。チョウニチ新聞社のパンニさん、王子からの回答で問題なかったでしょうか。」
「問題しかありませんが、タヌキ王国の方針が変わったということは理解できました。」
「その他の質問はないようですので、続けま・・・・」
「現場のキツネ子さん。たぬきち王子から直接お言葉がありましたが、高齢者を削減し、生産年齢への負担を下げようとしている、ということでよかったでしょうか。」
「現場のキツネ子です。はい、たぬきち王子は、少子高齢化を大変憂いでおり、生産年齢人口への負担を大変気にしていらっしゃいました。そのため、あのような歴史的にも前例のない政策を実行したのだと思います。たぬきち王子はこの制度の普及要領についてもお言葉がありましたので、VTRの続きをご覧ください。」
タヌキ王国年度末人口
電話5年度当初1.3億人
電話5年度末1.05億人
黒よりも暗い闇の世界 たぬきち @naltiny
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