※お兄ちゃんに恋はしない。

@daladarako

第1話

真琴「はぁ……はぁ…」

 俺の名前は宇田真琴、家族に見放され、ロリ好きな41歳のおっさんだ。

 

そんな俺は今日、雨の中女子高生のスカートの中を撮ること…に成功した………はずだった。

 駅のホームの階段で呆気なく転げ落ちて死んでしまったのである。

そう、いわゆる……お流行りの俺流転生物語である……。


第1話

 

ぽちゃん

水の滴る音で目が覚める。

「……私…いや俺……あれ?」

…手が子供のように小さい、顔も小顔で可愛い。

鏡に映る、……私……いや俺は……

「ええぇ!!!」


どういうことだ!?誰か説明を頼む!

 と、叫びたいくらい驚いている。

鏡に映る俺は…ロリ……に、なっていたからだ。


?「どーした美琴。」

美琴!?違う、俺は宇田真琴!真琴だ!!

ガラッとドアを無造作に開けられ、俺の裸が露になる。

「ギャー!!!…あ…おいお前!」

 その風呂場のドアの前にいる男に問いかける。

?「あっごめん……ってお前ってなんだよ、惇生だけど。」

聞き覚えのない名前に俺は焦る。

 そうだ……今は2010年の6月…


 そのあつき?とやらにドア越しに声をかけた。

 「今って、2010の6月か?」

惇生「は?今は2023年の4月…だけど、一緒にお花見も行っただろ?」

 2023……?どういうことだ??

俺が記憶にない間に……まさか転生した、とか…?


あくまで憶測だが、2010年に死んだ俺は、この身体に記憶が無いままこんな可愛らしい女の子に転生したってことか?

 …………これは、ラッキーすぎるだろ……!!

グッとガッツポーズをすると共に、…この家庭のことを思うと悲しくなってきた。

 …悪い夢なら殺してくれ……と思った。

記憶がないままの俺と…、この家族の生活が始まった。


 お風呂を揚る時も俺は興奮しっぱなしだった。

いい匂いのする小さいパジャマ…を着て、リビングに向かう。


 お母さん「美琴〜!ご飯食べるよ〜!」

め、めっちゃ綺麗なお母さん…俺にもこんなお母さんが欲しかった……

 でも料理を見た俺はびっくりした。


 まさにダークマターだったからだ。

お母さん「ちょっと失敗したけど、お兄ちゃんと仲良く食べるのよ!」

 失敗が、ちょっとのレベルじゃないだろ……!と思いつつ

チラッと横に座るさっきの兄と名乗る人物、惇生を恐る恐る見ると、なんということか、がっついていた。

 

「い、いただきます…」

 パクっと目を瞑って食べると……微妙に美味しい!……と代わりにすごく御手洗に行きたくなった。

惇生「ごめん、ちょっとトイレ……」

 笑いながら口と腹を抑えてトイレに向かう惇生に驚いた。

「(お前もダメなのかよ!)」


 お母さん「あっ、塩と砂糖間違えたのね!でも美味しい〜!ね、美琴!」

こういう時は愛想笑いで……

「そ、そうだね…!美味しい……」

 お腹が大きくグルグルと鳴った時、どうしようかと思った。

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