第4話 二人での戦いの形
体術を覚え
手に攻撃の波動、朱の色をまとわせた
私こと琴里(ことり)は
相棒の猛(たける)と
すぐに息の合う戦い方を身に着けた
これまで見つめていた猛の戦いが
頭に焼き付いてるから
どう動けば邪魔にならないか
闘いのプラスになるか
いつも心のどこかで考えていて
それを実践できる力を
心が体が喜び
そして、その動きがまちがいないことを
一つ一つ証明していく
今までのお互いの戦い方も
信頼しつつも私には有意義だったが
今の戦い方は
今まで他の人に求められ続けて
私が行えずに居た戦い方であり
それを私という存在を
見出してくれた猛と行えることは
私にはとてつもない偉業であり
そして自らの誇りに変わっていった
猛との距離はこの頃から
ずっと近いものになってきた
関係ができたわけではないが
座る距離が近くなり
触れなかった手がいつのまにか
体に常に触れている
そんな現状を報告してる間に
雑魚は大方片付いて
ボス格の敵が1体残されるのみ
猛に背中を軽くたたかれて
前に出る
敵に眼力の赤き眼を向けて
それで敵は倒れる
これで仕事は終わりだ
商会に給与を貰いに二人で行く
商会に行くときの距離は
出逢った時のそれで
ゆうに2メートルは開けて
私は後ろを歩く
商会の中では
ペアを組んだ時から
結局隣り合わせで立って
猛が給与をまとめて受け取る
「君たちは恐ろしく実力を上げて行くな
20歳前後でその強さは目を見張る
専門機関で訓練して見れば
さらに伸びるかもしれん」
「断る。ミッションパーティも組まずにペアしてる
他人の考え方や知識を取り入れたら
壊れる事もあるかもしれん」
「もったいないな。君たちなら伸びると思うのに」
「実力がつけば、組織にとりこもうとする
虫のいい話よね。散々化け物と変わらないと
言ってたくせに」
それで話は終わった
二人して部屋をでる
猛の好きな居酒屋が開く時間だ
そんな時間は決まりごとのように
その居酒屋で夕食を済ませて帰るのが常になっている
そして今日も夜が来る
本当の退魔の仕事は
これからが本番だ
二人の形 御等野亜紀 @tamana1971
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