第3話 能力追加

私は回復する(させる)能力も持っている

ただ戦闘の性質上

戦闘中に使うことはできない


戦闘が終わると同時に猛(たける)に駆け寄る

派手に出血している衣類の上から

手をかざす


猛の顔色はどんどんよくなり

でも何か私を見つめ思案じみた顔をしている


そろそろ大丈夫だろうと手を引っ込めようとすると

その手を摑まえられる


「この手は使えないのか?」


意味を理解しかねて、次の言葉を待つ

顔色一つ変えずにただ無言で待つ私の意図を理解するものは少ない

猛も慣れてきたとはいえ返事が来ないことに一瞬考え込む


ふと、思い当たったか

「この癒しの手は攻撃に転じる時には使えないのか?」


「かなり集中力を要するし回復と攻撃の波動は違う

使える自信はないな」


「波動が違う、ってことは波動の違いは理解してるんだな

なら、訓練でなんとかなるかもしれない」




こーして、有無を言わせぬ猛の特訓が始まった




最初は降りかかる猛の手や足を自分の手で普通にはじく

体術の練習から入る


手かざしのように力を手に集めろと言われたが

瞬時にそれをするのは私には難しい


考えてみたら瞳に力を集めるのもかなり時間かかってた気がする


攻撃の波動を集めるのは瞳のが得意だ

私は並行して瞬時に瞳に波動を集める訓練も始めた


毎日来る仕事の合間にない暇で訓練だ

もうくたくたで何もできない


気が付けば下着の洗濯さへ猛がしていて・・・

気が付いた時にどれだけ赤面したか

言葉もでなかった


そんな私に対して猛は

「疲れてるんだ寝てていい、動く元気があるなら訓練してろ」

人の下着を干しながら何事もない様にそう言った


猛の過去はしらないが

絶対に女兄弟はいるなと思った




手が朱色の光をまとう

その手に弾かれて猛が宙を舞う

受け身はさすがとしか言えない


自分の手を見つめる

一度朱のオーラーをまとった手はそのまま光り続けてる


「瞬間で消えると思ったらえらく持続してるもんだな」

「うん・・・これ、どう消すんだろう」


「イメージトレーニング。そう難しくはない

癒しの時はずっと力は持続してた

攻撃の力が持続するのも想定内に考えるんだったな

消し方も癒しと変わらんだろう」


癒しと変わらないね

私は力と緊張を手放した

手の朱色は一瞬に消える


なるほどね


こうして私は・・・新たな戦闘方法を身に着けた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る