第7話 愛か金の再会
その声の主は、アレシアだった。
「アレシア...?何でここに...?」
僕は気の抜けた声で言った。でもアレシアはきっぱりといった。
「手紙に邪気を通して視覚共有をしたの。だからリアを追ってこれた。手紙にも書いたでしょ?困ったときにはお互い様だよ?」
その瞬間、僕は人間の暖かさを感じた。人というのはもっと残酷で、愛が大事といいながら本当は金を優先するクズ野郎だと思っていた。もっと心の汚い、汚れた「ナニカ」だと思っていた。でも違った。すべてがそうではなかった。全員が全員自分の親のような存在ではないことを知った。その瞬間僕は、感動で震えた。そして無意識に涙を流していた。僕はアレシアの中で泣いた。アレシアはそんなかっこ悪い僕を、
「よく頑張ったね」と言って励ました。僕はたくさん泣いた。そして数分たった。
僕はアレシアに謝った。
「ごめんなさい、アレシア。自分の身勝手でいろんな人を巻き込んで...」
でもアレシアは優しい顔でいった。
「大丈夫だよ。誰にも弱いところがある。リアも、ちゃんと人間なんだなって思えてよかったよ。」
そして、僕は先ほどリュージュさんに教えてもらったことをすべて話した。そうすると、衝撃的なことが判明した。
「この結界を通るときにこの結晶を使ったんだけどどういう仕組みなの?」
そうアレシアが聞いた瞬間。リュージュさんは青ざめた顔をしてその結晶を奪い去った。
「この結晶はこの世に10個しかない結晶ですじゃ!なぜあなたがそんなものを?!」
わかんない、という顔だろうか。アレシアは突然のことについていけていないようだ。
「この結晶は何なの?かえして!」
そうアレシアが言うと、リュージュさんはそれを守るようにして、こう語った。
「これはかつて10人の邪人が残した結晶の一つじゃ。それを持つものは邪人と同等の力を持つことができるといわれている。」
僕はそういわれた時、間髪入れずに行った。
「邪人はどのような力が使えるんですか?」
そうすると、リュージュさんが苦しそうな顔をしていった。
「すまぬ。これから先は言うことができない。代々伝わる【邪約】があるからのう」
僕は思い出した。確かローマフも【邪約】とか言ってたな。僕は訊いた。
「リュージュさん、邪約って何ですか?」
リュージュさんは人差し指を立てて説明をし始めた。
「邪約というのはこの世界に存在する邪気を使用して作るいわば契約のようなものじゃ。それをこの世界では邪約という。この世界には、邪人との契約の【邪約】、人間との契約【民約】というものが存在する。昔の邪人は自分のことを口に出さないようにする邪約をすべての世界の民と契約したんじゃ。」
そんなことがあったのか。しかし、僕は邪約よりも大切なことがある。
「リュージュさん、邪聖ってどういうものなんですか?」
リュージュさんはいう。
「まったく、世話の焼ける坊やじゃ。邪聖というのは3つの設問をやり遂げたものにのみ入ることができるいわば夢の楽園といっても過言ではないだろう。今からはなすのは挑戦者の証言とあくまで儂の創造に過ぎない。だが聞いて行ってくれ。1つ目の設問は自分の人生を振り返るというものだ。2つ目は精神的にくるものだと聞いている。詳細は分からぬ。3つ目の設問は邪人と話をするというものだったといわれてている。だが、行けても3つ目の設問ですぐ殺されるのがオチだといわれておる。すべてをクリアすることは、降りしきる雨粒を一つ残らず蒸発させることくらい難しい。」
僕は一つ思いつき、リュージュさんに訊いてみた。
「もしかして、設問をやって成功したなら邪聖の結界はなくなるんですか?」
「そうじゃ。完全になくなる。」
「だったら、自が分邪聖の設問をやれば結界は解けて、アレシアが邪人を抹消すればいいんじゃないですか?」
僕は言った。そうすると、リュージュさんが驚いたような顔をした。
「理論上ではできるが...リアに邪聖をやり遂げれるとは思えん」
そういわれた時、僕はかっこつけていった。
「こんなちっぽけな試練ができなくて、自分の宿敵が倒せるかよ!」
愛か金か?! ねむ @nemuchan0823
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