動機

 僕は公園の砂場で砂を弄っている村上の背に向かってこう訊ねた。


「なぁ? 本当に殺して良かったのか?」 

 

 村上は何も答えない。しかし、しばらくすると僕に声を掛けた。


「……おい、金子。ちょっとこれを見てくれ」


 僕が砂場を覗き込むと、そこにはハムスターの死骸があった。


「やっぱり殺して正解だったな」と村上は断言した。


「でも、もしかしたら墓のつもりかもしれないだろ」


 僕がそう言うと、村上は何も言わずにハムスターの死骸を裏返した。そこには、大量の切り傷が刻まれていた。

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サイコパス   @hanashiro_himeka

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