第3話 一日目

 舞はふと目を覚ました。一体、ここはどこだろうか?夢でも見ているのであろうか?と不思議に感じていた。ベットから起き上がると自分は小さな部屋の中にいた。一目見て確実に自分の部屋ではない事は分かるし、周囲を見てもベットと机以外は何もなく、壁はコンクリートできている。部屋には窓もなく、全く状況を掴むことができなかった。

 その瞬間、舞は自分が同窓会に参加していた事や、その途中に停電がおき、スタンガンの光のようなものを見て気を失ったことを思い出した。同窓会に来た際の服装を着ていたが、持ってきたバックやスマートフォンはどこにも見当たらない。刑務所の一室のような部屋にいる状況に恐怖を感じ、部屋から出るため扉を開けてみた。

 部屋の扉を開けると長い廊下が続いており、自分の部屋と同じ扉がいくつも並んでいた。すると、そのうちの部屋の扉の一つが開いた。

 驚きながら見ていると、部屋の中から日野 眞乃が現れた。

眞乃「ここどこ?今どうなってるか分かる?」

日野眞乃は、女子グループの中では一番静かなグループに所属していた。その一方で成績は良く賢いタイプであり、文化祭でクラスの出し物を考える時に、良いアイディアを出してくれたのを舞は覚えていた。みんなの前で手を挙げて発言するタイプではないが、少人数で話していると非常にその賢さが伝わってくるそんな人だった。

舞「私も全く分からないよ。今起きて外に出たら、眞乃が現れた」

眞乃「同じか....。同窓会に行ったところまでは覚えてるんだけど、その後に電気が消えてうちらは気がついたらここにいたって事だよね。」

舞「そうだね。私たちは拉致されたってこと?」

眞乃「そうかも。記憶全然ないし、それ以外考えられないよね。」

舞「思ったんだけどさ、もし他の人たちも拉致されたなら、他の部屋にいるかもしれないよね。」

眞乃「そうだね。とりあえずここの並びの部屋は女性の部屋かもしれないしノックしてみようか。」

舞と眞乃は部屋のドアを片っ端からノックして見た。すると部屋の中から数人が現れた。

現れたのは、手塚夕香、湯川早紀、杉原さくらの3人。夕香と早紀はクラスの一番目立つ派手なグループ、いわゆるギャルグループの一員だった2人である。さくらは女子の中で賑やかなグループの一員で、その中でも一番中心的な存在だった。一言で言えば、クラスで一番よく喋る騒がしい女子だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人狼ゲーム 政府の陰謀? @Hirobe-na

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る