第2話 同窓会
根岸の店で同級生たちとの会話を楽しんだ数日後、舞のスマホに由梨から連絡があった。
「こないだは楽しかったね」「思ったんだけど、せっかくだから今度同窓会しようよ」とのであった。舞はすぐに
「良いよ!企画しようか!」と返事をした。
昔から何かを率先して企画することや、クラスのみんなをまとめるのは好きであったし、約10年間会っていない元クラスメイト達に会えるのも楽しみであった。由梨との相談の結果、クラスメイト達への連絡は舞がおこない、場所の確保や招待状の作成は由梨の役割になった。まずは舞がSNSなどを活用し、できる限りコンタクトを取り、同窓会を開催する旨や参加する意思があるかを確認する。もちろん全員と連絡できる訳ではないので、連絡先が分からない人に関しては知ってる人から連絡してもらうか、連絡先を聞いて自分で連絡する必要がある。
次の日、舞は仕事が終わり次第、根岸の店に顔を出した。
根岸「早速、仕事の愚痴を言いに来たのかい?」
舞「いやいやそうじゃなくてさ、協力してもらいたい事があるのよ。」
舞は同窓会の開催の件を根岸に伝え、連絡に関して根岸に協力を依頼した。
根岸「場所は決まってんの?地元に残ってるやつらは群馬にいるだろうし、上京してる奴らはどのくらいいるんやろ?」
舞「まあそうだね。とりあえず場所次第で参加できるのかも含めて一度みんなに連絡してみよう。」
舞は事前に親に連絡し、群馬の実家に置いてある卒アルのクラスの写真をスマホで撮ってもらい送ってもらっていた。それをもとに元クラスメイト一覧を紙に書き出した。名前を書いた上で仲が良かった人同士のグループにおおざっぱに分けてみた。
男子グループは以下のようになった。
男子A 中尾・岡村・根本・栗田
男子B 武尾・加藤・柴野・向田
男子C 山村・佐々木・平松・柳田
その他 根岸・横峯
舞の独断によるグループ編成であるが、男子Aはクラスの中で一番悪グループのような印象の4人組。男子Bは騒がしいグループで、男子Cは静かで比較的真面目グループであった。その他は一匹狼の根岸と、いつも一人でいる事が多かった横峯の2人である。男子は合計14人。
一方の女子グループは以下の通り。
女子A 柴田・手塚・湯川・澤田
女子B 杉原・柏木・西沢
女子C 森岡・谷本・日野・福原
その他 宮野・永田
女子Aは一番目立つグループであり、いわゆるギャルのような集団。女子Bは賑やかでキャピキャピ系の女子たちであり、女子Cは一番静かなグループ、その他は舞と由梨の2人。女子はこれで13人で、卒業時のクラスメイトはこれで全員である。基本的に男子は根岸が担当、女子は舞が担当になり今日は帰ることにした。
場所は由梨から都内でよい場所が取れるとのことで都内での開催が決まった。また現在梅雨の6月であり、夏は各自予定が既に入ってしまっている可能性が高いため、開催時期は10月になった。さらに由梨から招待状を送るため、住所を聞くことを頼まれた。また今回参加できない人でも、次回以降開催する際の場所の選定の参考にしたいためどこに住んでいるかを聞くように頼まれた。
最終的な参加者は、男子が根岸・岡村・根本・栗田・武尾・柴野・山村・平松、女子は舞・由梨・手塚・湯川・杉原・西沢・日野となった。参加者はトータルで15名となり、クラスの約半分になった。群馬の地元に住んでいる者や、別の都道府県に住んでいる者でも参加するとの申し出があり、舞は非常にうれしかった。都内在住であるが、どうしても当日予定が合わないのが、佐々木・森岡・澤田の3人。また向田は名古屋に在住、中尾は地元在住で予定が合わず、柴田は地元で専業主婦をしており子育てに忙しいとのこと、さらに柏木は札幌在住のため今回は参加を見送るとの連絡があった。それ以外の横峯・柳田・谷本・福原は理由は不明であるが参加しないとの連絡があった。
10月の同窓会当日、舞は指定された場所である都内のホテルに到着した。会場は結婚式の披露宴の会場のようなセットになっていた。各円卓のテーブルに4~5名ずつ座るようになっており、舞は由梨と同じテーブルに着席した。開始時間前には全員が集まり、一同は久々の再会を喜び話していた。舞は久しぶりに会った友人達に挨拶し一旦着席した。
開始時間になると、ブライダルスタッフのような男性たちがぞろぞろと入ってきたため、舞はその様子を眺めていた。すると停電なのかいきなり電気が消え、目の前が真っ暗になった。男性陣は比較的落ち着いていたが、女性陣には悲鳴をあげる者もいた。すると、スタンガンのようなものの「バチ!」という音と、何かが放電しているような光が一瞬見えた。
「え?」と舞が声を出した瞬間、舞は自分の背後から首の辺りに何かを当てられているの感じたが、その瞬間全身の力が抜けていくのが分かった。本来、スタンガンで人は気絶はしないはずである。そんな事を頭の中で考えていた瞬間に、舞は既に気絶していたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます