第2話入寮。終わりの始まり〜春風と不安を添えて〜

さて、校長の雄弁なスピーチとおそらく本人の術式により誰の記憶にも刻まれず、素性も謎に満ちている教頭の学校案内、入寮時の注意を含めたガイダンスなどを終えたため、晴れて入寮である。


寮はそれぞれA塔からE塔まであり。寮付近の地区はその各々の寮の管轄でありA地区などと呼称され、清掃などの手入れも寮生の義務である。

また各寮には同級生と上級生が共同で使用する洗濯機置き場や集会場などのスペースが有り、そこでは絶えず洗濯機の列の押すな抜かすなのディスり合いに留まらず、性癖から政治思想まで幅広い議論を捏ねくり回す場となっており基本賑やかである。


さて寮の解説もこれぐらいに、これから最低1年は過ごすであろう寮のくじを引いていこう。

「出席番号5番。」

『はい。』

「くじを引きなさい。」

『はい。』

「え〜〜B寮!!」


〜先輩達による歓迎の御言葉〜

「ブフォッ////B寮かぁ///」

「今年最初のスケベ枠が決まったでござるなぁ!」

「乙ンゴねぇ!」

「可哀想にねぇ。」

「可哀想は抜けるねぇ。」

「ロン!!」

………………………ど、どういうことや!?

スケベ枠!?可哀想に!?ぬ、抜ける!? 

1〜2年熟成された先輩キチ達は、いったい何を言っているんだ!!!???…ぬ、抜ける!?

俺は早速原因究明のためアマゾンの奥地こと、雰囲気の柔らかい先輩に騒ぎの理由を聞いた。


「今年一年生になった者なのですが!他の先輩達はなんで騒いでるんですか!?」


『あーさっきの子か、いやあれはね年によって各寮の雰囲気や特色は違ったりするんだけど、B寮だけは生徒が元来スケベだと言われているからだよ。あと寮代表が毎年性犯罪で捕まるからだよ。』


「ふざけろ!絶対に最後の一文がスケベと揶揄される所以だろうが!!!!おーいOB、OG会社じゃねえとこ勤めてんじゃねぇか!!!!!!!!!刑務所のコネしかねぇじゃねぇか!!!!」


『あとB寮の清掃地区が略してビーチクだからだよ。』


「弱いよ!!歴代の寮代表の悪行の後にその理由は弱い 

よ!!!!」


『ちなみに僕が今年のB寮代表だよ☆』

 

「やっぱり人は見た目によらないんですね!!へー捕まる奴ってこんな顔してんだぁ!!!!!気を付けよ!!!!!!!!」


『B寮へようこそ!!!!新芽の香り漂う青き新入生よ!!!』


「黙れ!!!!!!!」


入寮早々汚名を頂戴した俺はこれからいったいどうなるのか!作者の筆は進むのか!!

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漢共が空に吠える @rakusukee

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