第2話 存在と世界の成り立ち

さて、現在流行の考え方に


人は自分が思い描いた通りの人生を生きる

(※ここでは便宜上「選択論」と名づけておきます)


というのがあります。その考え方に当てはめると


人は人を殺したいから戦争を起こすのだ。

だから、人殺しを伴う戦争はなくならない。


と、この辺りに説明が落ち着きそうです。


しかしながらこの「選択論」的思考法でもやはり、先述した内容と同じ理由で「生き残った者の側の論理に留まっている」と言わざるを得ません。


以上、ここまで考えてきた中には、実は決定的に欠落している視点があります。それは


死んだ人からの視点と

これから生まれてくるであろう未来世代からの視点です。


これら「3つの生者の視点」を整理すると


①現在生きて存在している人

②現在は死んでいるが過去には存在していた人

③現在はまだ生まれていないが、未来に生まれて存在するであろう人

となり、共通項は「存在」という部分になることがわかります。


現代の「多様性」の議論に抜け落ちているのは、この「存在としての人間」という視点だと私(脇坂)は考えます。


LGBTQ+などに代表される「外見」など、「実体」を伴った現実の存在だけにリアリティを感じるだけではなく、「現在は死んでいるが過去には存在していた人」「現在はまだ生まれていないが、未来に生まれて存在するであろう人」というレベルまで拡げて「多様性」を考え、それを踏まえて敵味方に関する「戦争」論を考え抜いていくべきです。


そしてその後に

拡張現実や仮想現実などを含めた「世界」の在り方、成り立ちについて考えていくという順番になりそうです。


なので、ここから先は

人類がテクノロジーによって創造した「世界」と、いわゆる「神」が創造した「世界」との違いを考えることになりますね。


以上の点を踏まえて、


この「世界」からどうして「戦争」が「なくならない」のでしょう。


という問いに対する私(脇坂)の一先ずの答えを述べさせていただくと


神がこの世界に戦争をプログラミングして組み込んだから。


となります。


だから戦力を均衡させる「抑止論」は人類の「神」に対抗する今のところの最強の知恵なのです。


確かに、戦力を均衡させる「抑止論」は互いに敵を作り、敵意の感情をエスカレートさせていくだけで、戦争が起きるのをただ先送りしているだけにしか見えない、とお考えの方が多いのもわかります。


ですが、私(脇坂)の一先ずの回答は、そのように「戦争が先送りされているだけで根本的な解決にはなっていない」とお考えになる理由の説明にもなっていると思うのですが、いかがでしょうか。


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この世界からどうして戦争がなくならないのでしょう 脇坂 幸雄 @denjuku66

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