この世界からどうして戦争がなくならないのでしょう

脇坂 幸雄

第1話 戦争を必要とする理由

この世界からどうして戦争がなくならないのでしょう。


答えはシンプルです。


戦争がなくならないのは

人類は戦う相手を必要としているからです。


戦う相手がいなければ、戦いは起きません。


ということは同時に

勝者も生まれませんし、敗者も生まれません。


ということは

勝って嬉しい喜びも味わえないし

負けて悔しい悲しみも感じることがなくなります。


人類が戦う相手を必要とする理由は

喜怒哀楽のような感情を引き受けながら

人間らしく生きる意味を日々感じて

人生を「意味あるもの」にしようとするから

に他なりません。


結果、戦争(争い)はなくなりません。


最近の教育現場では「競い合い」の争いは他人を蹴落とす、騙し陥れるところまで行き、その結果「分断」や「孤立」を生むとして推奨されず、代わりに「学び合い」や「教え合い」など他者と関わり合い、周りを巻き込む「協働」の方が推奨され、その大切さが唱えられています。


但し

このような考え方はすべて

生き残った者の側の論理です。


死んだら何もわかりません。

感じたり考えたりできませんから、

死んだら即、終了です。


したがって、問いをこんなふうに立て直す必要が出てきます。


この世界からどうして「(互いに殺し合う)戦争」がなくならないのでしょう。


しかしながら

このように問いを立て直してみてもやはりこのような考え方は「生き残った者の側の論理」に留まってしまいます。


理由は、

命を懸ける程、必死になって戦った方が

より強く喜びや悲しみなどの感動を味わい、引き受けることができるからです。


でも、繰り返しますが、

実際に死んだら何もわかりません。

感じたり考えたりできませんから、

死んだら即、終了です。元も子もありません。


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