第4話 同じ夢を


「んー」//短く伸びをする


//SE 衣擦れの音


//両耳をなでる(複数回)


「なんか結構、話し込んじゃったね。ごめんね、夜も遅いのに。

寝かしつけてあげるって言ったのにねー。


きみと一緒にいるの楽しくて、ついつい長く話しちゃう。きみも同じだったらいいな」


//しばらく無言


「わたしはさ……きみとこうしていられるのがすごく幸せで、きみのいない生活なんて考えられないんだ。少し会えなかっただけで、きみのことがどんどん大切になって……。


……ほら、だって、わたしたち、幼なじみだからさ」//取り繕うように


「えっと、その……だから、これからもずっと、仲のいい幼なじみでいてくれたら嬉しいです」



「やっぱりかわいいなって……なに、急に。しかも、そんなにしみじみと。

今日すごく褒めてくれるじゃん。


……それで……あの、お返事は?」



「きみも同じ気持ち? ……よかった。

わたしたち、やっぱり幼なじみだからねー。お互い、よく似てるんだよ」



「うん? どうしたの、なんか改まって。

今度、一緒にどこか行かないかって? いいよー。この前のラーメン屋さんとか? ……できればほかの場所が? ……もっと特別な感じのところ? ……っていってもなあ……。うーん?

いや、きみに任せるよ。わたしはきみと一緒ならどこでも嬉しいからさ」



「きみの声、なんか固くなってない? どうかした? ちょっと緊張してるでしょ。


えー? 顔見てなくてもそれくらいわかるよ。何年の付き合いだと思ってるの。

力抜いてリラックスして?」


//耳全体をゆっくりなでる


「一度、ゆっくり深呼吸しようか。

吸ってー……吐いてー……、吸ってー……吐いてー……」


「うん。

それじゃ、もう少し心を落ち着かせていこうか」


//マッサージオイルの容器を両耳のまわりで振る(複数回)


「オイルできみの耳をマッサージしていくよ。


目を閉じて、耳に神経を集中して?」


//容器を開けてオイルを出す

//オイルを両手に塗る音


//以下、動作説明の台詞に合わせてゆったりとしたマッサージの音


「耳にオイルを塗っていくよ。まずは、手のひらを使って耳全体に……。

それから指先で耳の縁と裏に……。

両手で耳を軽くつかんで、くるくるくる……。

耳の付け根もくるくるくる……。

耳を上に軽く引っ張って……それから下に……後ろの方に……。

指の腹を使って耳の溝に沿って内側から外側に……。耳の溝をもう一回……。

耳の穴と耳の後ろ、耳たぶも一緒に刺激していって……。

それから、また手のひらで耳全体を……。

そうして、最初からもう一回……」


//動作の途中で

「どう? 気持ちいい? いつでも寝ちゃっていいよ。声がもう眠そう。

実は、わたしも結構眠たいんだけど。


ふぁ……」//小さくあくび


「んー? 先に寝ていいよ。きみが眠ったら、わたしも眠るから。一緒に寝よ?


//先のマッサージの流れは終わり


//両耳を両手で押さえる

ぎゅーっ。

//しばらく抑えてから離す

ぱっ。

//抑える→離す 数回繰り返す


わたしはきみのことを思い浮かべて眠るから、きみもわたしのことを思って寝てほしいな。

もしかしたら同じ夢を見られるかも」


//以下、全て囁き声

//聞き手の応答は想定しない。作中内聞き手はいつ眠っていてもよいものとする

//マッサージの速度はゆっくり

//動作説明の台詞は最小限、もしくは省略


「手のひらを耳に這わせていって……それから上に……。下に……。

手のひらで耳を包んでくるくる……。ぱっ……手を離して、また耳に手のひらを付けて、ゆっくり上下に……。ぱっ……。もう一度最初から……。

耳の穴を指で塞いで……そのまま耳全体をマッサージ……。耳の裏と耳たぶの方も……。

ぐりぐりぐりぐり……。手を離して、手のひらで耳を塞いで、ぎゅーっ……。


ゆっくりゆっくり、きみは夢の世界に落ちていく。


ぎゅーっ。ぱっ……。

指の先で耳の縁をとんとんとん……、耳の裏と耳たぶも念入りに……、軽くつかんでくるくるくる……、耳の付け根も忘れずに……。//左右非対称


意識はとろとろ溶けていって……。


耳の溝を指ですりすり、上から下に……、また上から下に……、くるくる……。

手のひらでゆっくり耳をもみほぐして……上から下に……、また上から下に……。


眠気が体中に広がって、なにも考えられなくなる。


ぺたぺたぺたぺた……両耳を優しく触って……こしこしこし……両耳をゆったりマッサージ……。

ぎゅーっ……。両手でゆっくり耳を押さえて……離して……、またゆっくり押さえて……離して……。

左耳の入り口をくりくりくり……ふーーーっ……。長く息を吹きかけて……、また耳の穴をくりくりくり……。

次は右耳……。右耳の入り口もくりくりくり……ふーーーっ……。とても心地よくなってきて……、こっちの穴もくりくりくり……。


ふーーーっ……。//左耳に二回息を吹きかける

ごしごしごし……。両耳をゆっくりマッサージ……。

ふーーーっ……。//右耳に二回息を吹きかける

ごしごしごし……。すりすりすり……、ぎゅーっ。


なでなでなで……耳をゆっくりなでて……」//長めのマッサージ。しばらく両耳に触れ続ける


「……ふふふ。もう寝ちゃった? きみの寝息が聞こえてくるよ」


//両耳をなでる


//マイクを複数回軽く叩く 抱き寄せて背中を叩くイメージで


//SE 衣擦れの音


「……あの……さ。そのまま寝ててね。

でないと、わたし、いつもみたいにごまかしちゃうから。

きみとはいつでも会えるって思って……いつもいつも先に延ばしちゃう。

いつか、勇気が出たら、その時こそはって思うんだけど……。


きみは……わたしにとって、ただの幼なじみじゃなくてさ……。

それより、もっと、もっと……。


……。//薄く呼吸音


ね……。きみは、どんな夢を見ているのかな。

わたしのことはどう思ってくれているのかな。


もし、きみがわたしの夢を見ていてくれたなら……。

わたしと同じ気持ちでいてくれたなら……。

きみの夢に遊びに行けるかな。


……。//薄く呼吸音


……おやすみ。


//SE 衣擦れの音

//キス音


大好きだよ」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Vtuberデビューした幼なじみから通話が掛かってくる話 テルヒト @i_teruhito

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ