魔法雑貨店ルミナエール堂~後日譚~

後日譚「ルミナエールと真理達のお茶会」

〇登場人物紹介〇

ルミナエール

魔法雑貨店の店主で魔女。


木野真理

魔女見習いの少女。



クリス・クロース

サンタの孫の青年。


ローズ・クロース

サンタの孫の女性


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今日は、ルミナエール堂でお茶会がある。

しかも、クリスとローズも呼べるようになったので真理は朝から、胸が躍っていた。


ルミナエールやローズが、紅茶やスコーンを用意してくれると聞いていたが。

せっかくのお茶会なので、真理もコンビニで、のり塩とピザ味のポテトチップスを購入して行くことにした。

塩辛い物もあった方が、男性のクリスは喜ぶだろうと言う。真理のちょっとした心遣いだ。


◇ ◇ ◇


真理は、お茶会を心待ちにして深夜になるとスマホから、ルミナエール堂へといざなわれた。

真理が、ルミナエール堂のドアを開けると、昨日、ホーリーランドから呼んで店の二階の部屋に泊まっていた、クリスとローズがルミナエールの手伝いをしていた。


「クリスお兄ちゃん、ローズお姉ちゃん。ただいま」

喜びの笑顔を向ける真理に。

「お帰り!今日はサンキュな。真理」


「お帰りなさい。真理ちゃん。お茶会楽しみね。」


クリスとローズは微笑んだ。


「おかえり。今、スコーンが焼けたよ。いちごジャムとホイップクリームも準備出来たから。運ぶのを、手伝ってくれるかい?クリス、ローズちゃん。」

真理達の声を聞いて、ルミナエールがキッチンからひょこっと顔を出した。


「はいよ。任せとけ」


「はい、ルミナエールさん」


「真理ちゃんは、食器とティーカップを食器棚から出してくれる?」


「了解です」


真理にもテキパキと指示をする。


「ルミナエールさん。私、ポテチ買ってきました。」

真理は、ルミナエールにポテチ入りのエコバッグを手渡した。


「いいね。塩気がなかったから、ちょうど良かったよ。」


「お~っ!ポテチ良いな」

ポテチ好きのクリスが喜ぶ。


「さすが、女の子ね。真理ちゃん」


「ふふ、ありがとう。」


ローズが、焼き立てのスコーンをデザート皿に並べながら微笑む。

ルミナエールと真理、クリス、ローズ達はお茶会の準備を始め、しばらくして店の奥の部屋でお茶会が始まった。


ルミナエールやクリス、ローズ達と談話を楽しむ真理。

テーブルの上のスコーンやお菓子が飛ぶようになくなってゆく。


「再来年は、真理ちゃんも中学生だね」

ルミナエールが、アールグレイの紅茶を一口飲みながら微笑む。


「もうそんなになるのね」


「楽しみだな。真理の制服姿!」


ローズとクリスも、スコーンとポテチを手に真理に微笑みかける。

その時、ルミナエールが真理に言った。


「よし、再来年になったら真理ちゃんの魔女試験をしよう」


「えっ、と言う事は……。」


「試験に合格したら、一人前の魔女と認めて魔法の杖とローブ、そして魔法動物を私から、贈らせてもらうよ!」


「わあっ、私、頑張ります~!」

真理は、一瞬喜んだ、が。


しかし、胸中に一抹の不安がよぎり、ルミナエールを見つめて。

「――― 一人前になったら、ルミナエールさんと離れると言う事は、ないですよね?」

不安そうに彼女は、聞いた。真理はまだ、数年前のことを忘れてはいなかった。


ルミナエールはその様子を見て、苦笑を浮かべた。


「まだ、気にしていたんだね。私があんたを守ると言っただろう?」


「だけどね。真理ちゃん。誰しも、永遠と言うことはないんだよ。真理ちゃんだって、いつかは大人になる。魔法だって、サンタさんだって信じなくなる時が来るかもしれない」


「なりませんっ!私は、サンタさんだって魔法だって。大人になっても信じます!」

真理は、涙を流しながら叫んだ。


その様子を切なそうに見つめる。クリスとローズ。

ルミナエールは、目を細めてふっと微笑む。


「解った!真理ちゃんがそう、言うなら。信じるよ」


「だから、私のことも今度は、信じてね」


「はい、ごめんなさい」

真理とルミナエール、クリス、ローズは抱き合った。


◇ ◇ ◇


お茶会の後、洗い物や片付けをしながら真理が話す。


「私、今、小説書いているんです」


「へえ、どんなのだ?」


「サンタクロースやその孫、そしてとても、優しい魔女が出て来る現代ファンタジー作品なの」


「面白そう!出来上がったら、読ませてね」


「うんっ!私、この経験や体験を活かして魔女兼。小説家になりたいの!」


真理は、そう、嬉しそうに笑って言う。

「あっはっは!それは、いいね。楽しみにしてるよ」

それを聞いたルミナエールは、穏やかに笑い、真理の頭を撫でた。


真理は、数年後。ルミナエールの魔女試験を受け、魔女になったと言う。

それから真理は夢に向かって、世間には内緒の魔女兼小説家のタマゴとして頑張っている。

心優しいお師匠様とサンタの孫達に囲まれて……。



そして、しばらくして、ネットの世界でささやかれる。魔法雑貨店ルミナエール堂には、ふたりの魔女がいると伝えられている。一人は大魔女ルミナエール。そして、もう一人は、心優しき想いの魔女だと。





後日譚~fin~


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日譚も終わり、これにて本当に完結!

後日譚が初めてなので書き方がイマイチ分からなかったです…。


最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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魔法雑貨店ルミナエール堂~願いを叶える魔法のお守り~ 夢月みつき @ca8000k

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