最終話 わくわくしますね
え、私の名前ですか? まあ、そうですねえ、これから一緒にやっていくわけですし、教えてもいいですかね。
私はイタチですよ。カマイタチじゃなくて普通の妖怪のほうのイタチです。違いがわからないですって!? そんなことある!? 信じられない、全然違うでしょ。鎌があるのがカマイタチで、ふわふわして可愛い顔をしているのが動物のイタチで、ふわふわして賢そうな顔をしているのが妖怪のイタチです。
そう、そうなんですよ、イタチは妖怪の中では賢いほうでね、へへっ。目を見つめれば相手の心が読めるんですよ。人間は眉毛につばを塗って、キツネやタヌキから心を読まれないようにすることから眉唾物なんて言葉もありますが、私が見るのは目ですからね。無駄なんですよ、眉毛なんか湿らせたってさあ。
それじゃあ、うどんを食べに行くとしますかね。え、カレーうどんが良いんですか。がってん承知の助ですよ。スパイシーにいくとしましょう。具を多めにしてさしあげますからね。もしかしたら失敗してうどんの上にナンが乗っかったりするかもしれませんけど、誰にだって失敗することぐらいあるんですから、大目に見てくださいな。
学校、つらいですよね。でもよく頑張ってますよ。これまでお一人でよく耐えてこれられた。きょうからは私が一緒ですからね。もう自分を責めるのはやめましょう。誰かに否定されたとしても、あなた様まであなた様を否定する必要はないんですよ。あなた様はただとばっちりを受けただけなんですからね。
元気になって、あなた様の幸せを見つけましょうね。これから夢を叶える準備で忙しくなりますよ。わくわくしますね。私もうまくいけば、来世はもっと良いものに……へへっ。
<おわり>
特にこれといったことはできない妖怪 ゴオルド @hasupalen
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます