終わりに

結論 / あとがき

いかがだったでしょうか。


個人的には、第1章はともかく、第2、3章以降は内容的にまだまだ微妙です。それだけ僕の理解が浅いことの表れです。


今後加筆する可能性は大きいですが、ひとまず、これで終わりとします。


(結論)


実際に書くうえでは、ストーリーの構造の前提(北風と太陽と旅人から見る起承転結)を理解した上で、世界観(第3章)の議論を済ませておくことです。


また、次のプロセスで読者はストーリーへのフィーリングを高めていくと考えられます。


社会的状況→キャラクターの主張→メッセージ→共感覚



また、本作品で述べさせていただいた考え方は、以下の8つに大別できます。


A メッセージ+メッセージの議論

B シーンや社会的状況の共感覚

C プロット(シーンの必要性)

D ストーリー構造

E キャラクターの主張

F ストーリーの双方向性

G 演出

H 因果関係(シーンの説得力)






では、この作品全体の要旨をまとめましょう。


1 構造


ストーリーの構造は、2種類の構造を組み合わせてできるものでした。特に北風と太陽による演出を物語を書くうえで上手に活用できれば面白いストーリーになります。


そしてプロットはシーン変化であり、これ自体ではシーンの説得力やストーリーへの没入感を生みません。ただし、あるシーンの必要性の見通しが立つ点で重要でした。



2 意味


ストーリーの意味は、共感覚が話題の中心でした。共感覚は、最低限しか説明描写をしない理由やキャラクターが持つ主張の説得力に、強く関係しています。また、ストーリーの双方向性も、一種の共感覚と解釈できます。




3 語用


ストーリーの語用は、社会的状況とメッセージに大別されます。特に一定の社会的状況を設定することで、キャラクターの主張が定まる点は重要です。その主張と社会的状況に因果関係があることで、説得力を生みます。


メッセージは、作者にはシーンの必要性を理解できる点で大切であり、読者にはストーリーへの没入感を生み出す点で大切です。


作者がメッセージからシーンの必要性を理解していれば、不要なシーンを排除できます。この働きはプロットに影響します。読者には、メッセージを持ったストーリーを読んでもらうことで、自然に世界観に関する議論に引き込むことができます。






ところで、伏線という話題もありました。簡潔な説明描写と因果関係と共感覚の3要素に一定の社会的状況が組み合わさって、伏線は成り立ちます。改めて全体を確認して、伏線の理解を深めておいてください。






そしてもっとも重要な指針は、


「これ好き」「これ楽しい」「最高」


と言ったなにかに対する愛や心の動きです。そう「共感覚」です。共感覚がない場合は、キャラクターがそれに関連する主張をしても、フィクション性を隠せなくなります。


キャラクターもいろいろといるので、そのすべてに共感はできないはずです。でも、まず社会的状況と組み合わせてから、その子の視点で物事を考えると、色々と見えてくるものがあります。


だから、好きという気持ちは、特に大切にしたいですね。






これが最後の話題です。


方法論以上に実践が大切です。また、一定のプロセスを経て、ストーリーが生まれるわけじゃない。感覚的な理解こそが大切です。ですから、この作品で言及した内容は小説を書くときに十分に活用してあげてください。そうしてストーリーの構造、意味、語用への実践的な理解を深めてください。これが代えがたい力になります。


またできるなら、見切り発車ではなく一度は下書きの時点で完結させて、二回、三回と推敲するとストーリーをつくる勉強になると思います。


(ちなみに僕は全くやってません。まずは勉強よりもエンジョイしたい派です)


ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

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ストーリーの構造、意味、語用から物語への没入感を生むための実践論。 @tuck02221

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