中華料理の晩

しょっからくて油っこい

中華料理をつくっては

どんぶりにのっけてかっ食らう

箸を動かしかっ食らう

わたしは

受け止められているだろうか

炊飯器の湯気のかおりを

手に持つ椀のぬくもりを

噛みくだく米粒の甘さを

白菜の舌ざわりを

忘れてはいないだろうか

机の上の記憶を

不器用な手の先を

一対の箸を

おおきな幸せを

濃い味付けの中華料理と

どんぶりいっぱいの米粒で

洗い流してはいないだろうか




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ありきたりな夕焼け ヶ浦 @oaiso

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