誰も信用してくれなかったお話

与方藤士朗

第1話 ファミレスで買ったボールペン

 私が学習塾に勤めていた20代半ばのお話。


 授業が終って22時30分頃、夕食を食べることに。

 行ったのは、すかいらーくグループのサンデーサン。

 食事を頼み、ビールも飲んだっけ。


 で、途中、何か書かねばと思って、筆記用具を探した。


な、ない! こんな日に限って、ないぞ!

と、とりあえず、ボールペンを買おう。うん。そうしよう。


 しょうがないので、レジに向った。

 なぜか、セーラームーンのボールペンがあった。

 さすがに、買うのははばかられた。


 店員さんに聞くと、もう、それしかないらしい。

 ただし、セーラー戦士5人分ともありましたね。

 ペンを貸してくれるみたいだったけど、ここは、

よっしゃ!

ということで、セーラーマーキュリーのボールペンを購入。

 何とか、仕事が進められました。

 まずは、めでたし。


 数日後。とある生徒にそのペンがばれました。


ファミレスで他にペンがなかったから買った。これ目的ちゃうで!


 弁明空しく、まったく信用されませんでした(わっはっは)。

 そのペンを買うだけのために行ったのかとさえ思われました。

 困った、困った。マジ、困ったで。


 しょうがないわ。

その数日後、同じ店にまた行きました。

今度は、セーラーマーキュリーのシャーペンだけ買った。

何も飲食せず、シャーペンだけ買って帰りましたとさ~。


今度は、シャーペンだけ買いに行ったぞ。


 ブツを見せつつこう言うと、めでたく!

 一気に、生徒諸君に信用されました。

 めでたし、めでたし。

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