第6話 FinalEP
ボクの肩にビッグが 顔をそっと乗せてきた。
腕にしがみつくように身体を寄せ、小さく鼻をすすっている。
「…キミも見た…の?」
ビッグは なにも言わず 軽く目を伏せた。黒くて長い睫毛が 答えの代わりにふさふさと動くのが見えて、ボクの内臓のどこかが キリリと痛んだ。
ビッグと公園に着いた時ね、どうしてだか また誰もいなくて… 昼間なのにね、ぼくとララとビッグの3人きりだったんだ。
ララは公園の奥の草むらに行きたがって、リードをグイグイ引っ張るから、ぼくは本当にドキドキしながらすべり台の方へ行ったの。
「この辺で指輪を落としちゃってさ」
「悪いけど一緒に探してくれないかな」
「指輪?」
「お…おっけー」
「どんな指輪?」
「えっびっくり あの金の指輪を落としたの?」
「ウィンさんからもらった大事なヤツでしょ。」
「何で落とすの? もう… バカなんだから。」
「いいよ。探すよ。」
「この辺なんだね。」
ブツクサ文句を言いながら ビッグが一緒に探してくれて、砂場の手前に光るモノを見つけた時は スゴく嬉しくて泣きそうだった。
ビッグもスゴい喜んでくれて 良かったね、良かったねって何度も言って ギュッってハグしてくれた。
真っ昼間の公園で 抱きあって ぴょんぴょん飛び上がって喜んでいたら ララが砂場の中へ入ろうとして リードを引っ張ってきてね、慌てたよ。ララの長い毛が砂まみれになったら大変だからね。
「ララ 待って」
そう言おうとして ぼくは また身動きが出来なくなった。
よくさ、あるじゃない。
立ちこぎって。
立ったまま勢いよくブランコをこぐアレ。
地面とブランコが水平になるくらいまで、物凄い勢いでね、ブランコが揺れてたんだ。
1台だけ。
Pink-Kiwi🥝
もう行けない Pink-Kiwi🥝 @Pink-Kiwi
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