第二話 運命を抱いて

未来予知能力を取得した私は、水瀬姉妹とともに平和を求める旅へ出かけようと準備をしていた。

「...まず、どこから行きます...?」

...とは言われても、日本だけでも広いし、どこに行けば平和の詩の材料が見つかるか。

「私にはわからないよ。地球ってとても広いし、なんというか...。」

「なんというか?」

「その...あれ、場所によって文化が違いすぎるっていうデバフもあるからね...。」

...私にはわかる。この世界がどれだけ残酷で、どれだけ危険か、というのを。

「多分デバフの使い方間違えてるけど、まあいいか。」

「一番平和な場所ってどこなの...?」

「一番平和な場所...うーん...。」

この世界で一番平和な場所...少なくとも、海外にはなりそう。ただ、海外に渡航するためのお金なんて絶対ないし、そんなことしたら、未来が狂う。

...とりあえず、考えずに言ったほうがいい気がした。

「海外にあるけど、この世界は色々面倒なんだよね。」

「面倒って...?」

「正規ルートを使わないと捕まっちゃう。例えば飛行機とか船とか。」

「そうなの!?今までそんなの気にしてなかったから全然わからん!!!」

「...私も、初耳だわ。」

...何、この人たちどうやって場所を移動してきたんだよ...。怖い怖い。

聞いてみる...?聞かない方がいい...?どうする、私...!!!!

「...何青ざめてるの?」

「う、ううん!?何でもない...。」

未来予知使っておくべきだったか...!?

「さぁ、じゃあ出発しようか。」

「どこに行く気!?!?」

「さっきコソコソ調べたんだけど、ここらへんだと『アキタ』県が一番平和らしい...?」

堂々と調べたな...。私が葛藤しているのを知らずに...(笑)

「まあ、そこなら国内だし、多分大丈夫なはず...!」

「よし、れっつごー!」

(っと、その前に...)

「ふっ!!」

すかさず出発前に未来を把握しときたいと思い、未来予知能力を使った。

ただ、そこに見えた光景は、この前のよりかなりひどかった。


――――ふふ、これでおしまい。

――――ぎゃあああああああ!!

――――嫌だ!こんなところで...死にたく...ない...!

(おい、嘘だろ...?)

(こんな未来ってありかよ...)

(...こ...)

(...こんなの嫌だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)


――――ちっ、まだここに燃焼しきれてないやつがいたか。

――――とっとと消えろ、異邦人。

(嘘だ、やめろ...やめろ...!)

(やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)


「はっ!?」

「時間は...!?」

時間が気になった。今は...?

...あれから動いてない...よかった...。

「どうかしたの...?未来は見えた...?」

「う、うん。この前よりリアルさが増してきたの...。」

「殺されるかと思った...ふぅ...。」

はぁ、はぁ...これじゃ、嫌な予感が一生晴れないままだぞ...。

...いや、未来があるなら...。


―――――変えてしまえばいいんだ...。


――つづく。

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Peaceful Word 〜かけがえのない詩〜 微風蒼井 @Murakami_shion

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