仙台駅、手袋の怪。

神逢坂鞠帆(かみをさか・まりほ)

第1話

 京都なるメイメイへ

 夏なので、怪談…と言うか、都市伝説でもひとつ。

 なんと仙台駅には、前から見ると普通の人でも、横から見るとペラペラの紙人間が居るらしいのです。どうです、背筋も凍ったことでしょう。これで、京都のクソ暑さも、乗り切れるハズ…?

 ああ、そうだ。仙台駅と言えば、夏はバスプールがクソ暑いの!エレベーターの中もね。駅前はとかく、多種多様な人が居るものね。インドから来たらしい、オレンジの布を巻いたお坊さん。女子大学生の駅伝の季節には、立命館大学のジャージを着た女の子。

 そうそう、こんなこともありました。ある日、駅で、握手をしてほしいと頼まれたのです。私は、うっかり期待に応えそうになりました。ここからが、異常でした。男は、私に白手袋を差し出し、これをはめてから自分と握手してほしいと再度頼んできたのです。さすがに、私も、即、拒否して逃げ出しました。今でも、たまに、思うのです。あれは、一体、何だったのだろうと…。フリーハグの類い、アートかしらん?


 僕は、手紙を放り出していた。

「怖ッ…!! 仙台駅、怖ッ…!!」

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仙台駅、手袋の怪。 神逢坂鞠帆(かみをさか・まりほ) @kamiwosakamariho

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