誘いはマティーニのあとで

53 バトンタッチSS

　阪急岡本駅前のカフェ・ド・ユニーク。一階の喫煙席のカウンターに、男子大学生二人組が座っていた。葵と純だ。

「初めまして。僕は葵。何だか緊張するね」

「俺はそうでもないよ。なんとなく親近感あるし」

「そうなの？」

「同じ作者のキャラクターだからな。どうしても似てくる部分はあるよ」

　純は葵の物語の感想を述べた。

「重いけどラブラブで良かったね」

「うん。幸せなラストだった」

「俺は三角関係だからな。ラストがどうなるかはまだお楽しみに」

「死や病気も扱うんでしょう？」

「ああ、だからけっこう暗いよ。これでカクヨムコン行ってこいって言うんだから作者も無茶振りするよな」

　二人の頼んでいたホットコーヒーが来た。彼らは同時に口をつけた。純が言った。

「実は、大学生三部作の中で一番先に完結したのが俺の物語なんだ」

「じゃあ、作者はずいぶん温存してたんだね？」

「そういうこと。ようやく日の目を浴びられるよ。ちなみに葵の物語は最後に書いたって」

「それじゃあ蘭ちゃんのが二番目なんだ」

「だから俺が長男みたいなもんなんだぞ？」

　葵は純のタバコを指差した。

「それがショート・ホープ？」

「うん。これがキーになる。葵にとってのセブンスターが特別なように、これは俺にとって大事なタバコなんだ」

「蘭ちゃんは途中でタバコを変えたね」

「それもまた一つのありかただと思うよ。彼女の作品も宣伝しておこうか。記念すべき大学生三部作の一発目だからね」

「ここから読んでくれる人も居るといいね」

　どうぞよろしくお願いします。

今宵、神戸のショットバーで

https://kakuyomu.jp/works/16817330661745741268

ショート・ホープに火をつけて

https://kakuyomu.jp/works/16817330661153736955