伝説のマッパー

碧月 葉

Follow the map of your heart.

 ドラゴンの角のペンに、尖晶石スピネル精霊ウンディーネの涙で作ったインクを入れ師匠に手渡した。


 タブレット《石版》に地図が描かれていく。


 只の地図じゃない。

 

 一面の花畑を幻想的な緑の森を、虹の谷を。

 鳥の歌も川のせせらぎも子どもの笑い声も。


 遠く離れた人々へ世界を伝える魔法の地図。


 ブドウ武道マドウ魔導も極めたこのひとは、何故かマッパー地図師になった。



「師匠、これはいつ完成します?」

「うーん、終わんねぇな」


「そのうち死んじゃいますよ」

「お前がいるだろ」

「ひとりじゃ迷います」


 

 師匠は僕の左胸をつついた。


「そんときゃ、ココの地図に従え」


「これこそ、いつ完成するか……」

「お前なら描けるさ、でけぇ地図がな」


 師匠はニカッと笑った。


  

          —— and to legend.

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伝説のマッパー 碧月 葉 @momobeko

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