第7話

湯船に浸かり今日一日を振り返る。


愛した女は悪徳業者の作ったマボロシだった。


欲しいもんは手に入らないし、予期しない台風に揉まれ、色々面倒があった。


助けたババアはクソだったし、逃げた先であったババアはもっとクソだった。


おれはお手本のような負け犬。


風呂を上がる。


俺は髪を乾かしながらスマホでマッチングアプリを起動させる。


いいね、とか会いたいとかそういうのは一切来てない。


おれは布団にもぐり、良さげな女を探しては、おれのような男を求めてやしないかとプロフィールを精読する。


求めてそうだったら業者じゃないかと疑ってみる。

大丈夫そうだったらいいねしたりメッセージを送ったりする。



おれは今日という日をシケモクを捨てるようにほり捨てる。


おれは明日の朝、マッチングアプリに返事が来ることを期待して、眠りに落ちる。

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おれたちはこう生きるが? 友里一 @yuriiii1

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