捨てる神あれば拾う者あり

オチがとても素晴らしいと感じました。
ホラーや怪談には教訓・戒めを含んだ物も多くありますが、これもまたその内の一つと言えるでしょう。

神隠しとは本来どんな現象であったのか?
神の怒りをかった不遜な人間に下る恐ろしい天罰なのか?
あるいは人さらいや、夜逃げ等、突然いなくなった人たちの行方を案じ、現地人が地元の迷信と結びつけた創作なのか?
逆に行き倒れとなった人がどこから来たのか、それを色々と想像して超自然の存在と結びつけることもあったのでしょう。

いずれにしろ、神があっさりと人を切り捨て天罰を下すことはあったとしても、人が人を切り捨てる事は現代社会においてそこまで容易ではないのです。
人情かみのごとし? 否、人情は人なればこそ。
人権とは何なのか、社会とは何なのか、そういった根本的な部分まで切り込んだ意欲作。深い物語をお探しであれば、是非!