第8話血まみれの女
さて寝るか。
寝れない。
夕方寝過ぎて寝れないのか…参ったな。
明日朝早いのに。
駄目だ寝れない。
俺は起きて飲み物を取りに冷蔵庫まで行った。
ふと視線を感じた。
そこに目をやると、窓に人の顔が浮かんでいた。
俺は悲鳴を上げ一目散に布団に隠れた。
なんだったんだあれは?
布団に隠れたが、中には血まみれの女がいた。
うわっ、俺は体が動かなかった。その女に首を絞められた。
苦しい、たすけ…て
苦しい?
お前を…殺す!
女の眼から殺気を感じた。
何故俺を?
その問いに血まみれの女は、お前を喰うためだ!
俺はその時死を覚悟した。
するとその女がいつの間にか消えていた。
はぁはぁ助かった。
なんだったんだ?
今のは。
夢か、ビビりすぎだ俺は。
しかし首がヒリヒリする。
気になった俺は、鏡で首の辺りを確認した。
すると手のあざが出来ていた。いや、それよりも顔が血まみれだった。
うわー俺は顔を洗おうと蛇口を捻った。
すると水ではなく、赤い水が出てきた。
その水から血の匂いがした。
オェー俺は我慢ならずそこにぶちまけた。
俺はもはや死にそうだった。
タオルだ、それで拭こう。
俺はタオルで顔を拭いた。やはり血まみれのタオルになった。
これは夢じゃない…現実だ。
この家…異常だ。
ついこの前引っ越したばかりなんだ。
知り合いがタダで、しばらく貸してくれるって言うから、怪しいと思ってはいたが。
あぁもうこんな部屋出てってやる。
俺は玄関のドアまで行った。
そして外に出ようとしたら、目の前にあの女がいた。
どけー俺は女をつき飛ばして逃げようとした。
だがその女は、びくともしなかった。
逆に手を掴まれてもの凄い握力で俺の手を引きちぎった。
呻き声を上げた。
はっ俺は布団にいた。
夢かよ。
いや腕がない。
なくなってる…
あぁ、もう駄目だ…こんなのありえない。
夢だよな…俺は恐怖のあまりに漏らしていた。
はは…ははは
俺はもう…どうでもよくなってきていた。
もう殺せよ。好きにしろ!
と叫んだ。
すると玄関からドンドンと叩く音がした。
その音は長い間続いていた。
俺は寝れば、これが全てなかったことになるのでと思い、眠りについた。
これが永遠の眠りになるとも知らず。
ホラー短編 タカユキ @takayuki007
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます