第154話 嘘をつくしかない(他視点)

彼らが部屋から出ていくまで、笑いを堪えるのに必死だった。彼らは俺が生徒会の中で情報を共有してくれるとでも思っているのだろうか?あの程度の譲歩では、そもそも共有するという選択肢にも上がらない。


確かに、理不尽な理由で拒否されたら何も言わないと言う条件自体は魅力的だが…正直な話そこじゃないのだ。俺は生徒会で会計という重大な任務を任されているのだ。あんな交渉で引くほど馬鹿ではない。


それにそもそもあんな奴の話を聞いてあげているだけでも嬉しいと思ってくれ…俺がわざわざ時間を割いてまで、こうやって話を聞いてあげてるんだからそれ以上を望まないで欲しい…


「くそっ…でもアイツラは絶対に諦めないだろうし…こちらとしても対策を立てなければ…」


俺があいつらの訴えを退けているのには理由があった。それは先生からこう言われているからだ。


「『現在の時点で部活動の運営などにかかっている金額を、今後引き下げることを決定した。』と言われてるからなぁ…」


俺自身間違っている事をしているのは分かっている…でも、ここで俺が引き下がってしまえば大変なことになるのだ。資金の方の調整を始めてしまっているという性質上、俺が勝手に認めるわけには行かないのだ。今回の件は部活動の根幹に関わってくることだろうから、俺が決めれることじゃない。というか先生に言っても拒否されるだけなのは目に見えている。


「だから先生たちも話を振られそうになったら生徒会の方に言ってくれって言ってるんだろうなぁ…でも、先生たちもはっきりそれはできないみたいな感じで拒絶しちゃえば良いのに…」


自分の中で二つの考えがゆらぎ、一つが大きくなっていった。それは上手いことアイツラを騙すというものだった。


「先生の方にも、アイツラの話を聞くだけ聞いてそのうえで拒否するように伝えておこう…そうすれば俺が拒絶した後に、先生側に訴えたとしてもなんとかなるはずだ。ただこの件を話すのが、校長先生とか…教頭先生とかじゃなければ問題ないんだけどなぁ…」


校長先生や教頭先生は俺とほとんど関わりがないし、変に話をされたら俺こそ大変なことになる若干の賭けだ。でもとりあえずはこの方針で行くことにしよう。


「ふぅ…まずは先生に話を持っていくのが先決かな。アイツラのことは後でどうとでも対処できるし、なんなら今日じゃなくても問題ないだろう…明日や明後日に聞きに来るわけじゃないだろうから大丈夫だ…」


俺は職員室に行って、この件を担当している先生を探した。先生を探してみると意外とすぐに見つかった。


いつも何処かに行っているから、今日も居ないと思っていたのに…良くわからないなぁ…






















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作品紹介

冤罪で家族全員から見捨てられた俺は…

https://kakuyomu.jp/works/16817330659841270825/episodes/16817330659843670300



時間がなくて内容が薄い!!って感じた方もいるかも知れません…すみません!!

ちょっと文章がおかしいところがあるかも知れませんが、許容していただけると嬉しいです…


新作もよろしくお願いします!!

裏切られ絶望した少年の復讐譚

https://kakuyomu.jp/works/16817330664793177655/episodes/16817330664803455889



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